「野球の練習や試合後に肘が痛い」「投球時に肘に違和感がある」「肘が腫れて熱を持っている」…このような症状に心当たりはありませんか?それは「野球肘」かもしれません。
野球肘は、野球の投球動作によって肘に繰り返し負担がかかることで起こる、肘の障害の総称です。成長期の子どもに多く見られますが、大人でも発症することがあります。
今回は、野球肘の原因と症状、そして効果的な改善策について詳しく解説していきます。野球肘でお悩みの方、また予防に関心のある方も、ぜひ最後までご覧ください。
野球肘とは?
野球肘は、正式には「上腕骨内側上顆炎」や「離断性骨軟骨炎」など、いくつかの種類があります。いずれも、野球の投球動作によって肘に繰り返し負担がかかることで発症します。
特に、成長期の子どもは、骨や軟骨、靭帯などが未発達なため、大人に比べて野球肘になりやすい傾向があります。また、大人でも、過度な練習や間違ったフォームでの投球を繰り返すことで、野球肘を発症することがあります。
野球肘は、早期に適切な治療を行わないと、慢性化したり、重症化したりする可能性があります。最悪の場合、手術が必要になることもあるため、早期発見・早期治療が重要です。
野球肘の種類と原因
野球肘は、主に以下の3つの種類に分けられます。
- 内側型野球肘(上腕骨内側上顆炎)
- 原因: 投球動作を繰り返すことによって、肘の内側にある筋肉や腱に負担がかかり、炎症が起こります。
- 症状: 肘の内側の痛み、腫れ、熱感、投球時の痛みなど。
- 外側型野球肘(離断性骨軟骨炎)
- 原因: 投球動作を繰り返すことによって、肘の外側にある軟骨や骨が損傷し、剥がれることがあります。
- 症状: 肘の外側の痛み、腫れ、可動域制限、ロッキング(関節が引っかかる)など。
- 後方型野球肘
- 原因: 投球動作を繰り返すことによって、肘の後方にある骨や靭帯が損傷します。
- 症状: 肘の後方の痛み、腫れ、肘の曲げ伸ばし制限など。
野球肘の症状
野球肘の症状は、種類によって異なりますが、一般的には以下のような症状が見られます。
- 肘の痛み:
- 肘の内側、外側、後方など、痛む場所は様々です。
- 痛みの程度も、軽度な違和感から、投球ができないほどの激痛まで様々です。
- 休息しているときは痛みが軽減し、運動すると痛みが強くなることが多いです。
- 腫れや熱感:
- 肘関節周囲が腫れたり、熱を持ったりすることがあります。
- 可動域制限:
- 肘の曲げ伸ばしや、内側・外側への動きが制限されることがあります。
- ロッキング:
- 関節が引っかかるような感覚があります。
野球肘の改善策
野球肘の改善には、以下の方法が有効です。
- 安静:
- 痛みが強い場合は、まず肘を休ませることが大切です。
- 痛みの原因となる投球動作を控えましょう。
- アイシング:
- 炎症を抑えるために、痛む部分を冷やしましょう。氷のうや保冷剤などをタオルに包んで、10〜15分程度冷やします。
- 圧迫:
- 腫れや内出血がある場合は、包帯やテーピングなどで患部を軽く圧迫し、腫れを抑えましょう。
- 締め付けすぎると血行が悪くなるため、注意が必要です。
- ストレッチ:
- 肘や肩、手首の筋肉をストレッチすることで、筋肉の柔軟性を高め、血行を促進することができます。
- 筋力トレーニング:
- 肘や肩、手首の筋肉を鍛えることで、肘にかかる負担を軽減し、再発を予防することができます。
- フォームの改善:
- 間違ったフォームで投球を続けると、肘に負担がかかり、野球肘を悪化させる原因となります。
- 専門家(コーチやトレーナー)に指導を受け、正しいフォームを習得しましょう。
- 薬物療法:
- 痛みが強い場合は、医師に相談し、消炎鎮痛剤や湿布薬などを処方してもらうことがあります。
- 注射:
- 痛みが強い場合や、他の治療法で効果がない場合は、ステロイド注射を行うことがあります。
- 手術:
- 保存療法で改善しない重症の場合は、手術を行うことがあります。
整骨院での施術
当院では、野球肘の症状に合わせて、手技療法や物理療法、テーピングなどの施術を行います。
- 手技療法: マッサージやストレッチなどにより、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進します。
- 物理療法: 超音波や電気療法などにより、炎症を抑え、痛みの緩和を図ります。
- テーピング: 肘関節をサポートし、負担を軽減します。
まとめ
野球肘は、早期に適切な対処をすることで、症状を改善し、野球を長く楽しむことができます。
当院では、野球肘の原因を特定し、症状に合わせた適切な施術を行います。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。