「転んで手をついたら手首が痛む」「スポーツ中に足をひねって腫れてきた」「骨が変形している気がする」
このような症状に心当たりのある方は、もしかしたら「骨折」しているかもしれません。
骨折は、骨にひびが入ったり、完全に折れたりした状態を指し、放置すると骨が変形して治ってしまったり、神経や血管を損傷する可能性もあります。
この記事では、骨折の原因や種類、症状、そして応急処置から専門家による治療、リハビリまで、詳しく解説していきます。
骨折をしてしまった方、骨折が心配な方は、ぜひ最後まで読んで、適切な対処法を知ってください。
骨折とは?
骨折とは、外部からの力によって骨の連続性が途切れた状態を指します。
骨にひびが入る「不全骨折」と、骨が完全に折れる「完全骨折」の2種類があります。
骨折のメカニズム:一体何が起きているの?
骨は、カルシウムやリンなどのミネラルを豊富に含み、非常に硬い組織ですが、強い衝撃や繰り返しの負荷によって、耐え切れなくなり、骨折することがあります。
骨折が起こると、骨の周りの組織(骨膜、筋肉、血管、神経など)も損傷し、痛みや腫れ、出血、変形などの症状が現れます。
骨折の原因は?
骨折の原因は様々ですが、主に以下の2つに分けられます。
外傷による骨折
- 転倒: 転倒して手をついたり、尻もちをついたりすることで、手首や足首、股関節などを骨折することがあります。
- 交通事故: 交通事故による強い衝撃で、骨盤や大腿骨、脊椎などを骨折することがあります。
- スポーツ: スポーツ中の接触や転倒によって、手や足、肩、膝などを骨折することがあります。
- 暴力: 殴られたり、蹴られたりすることで、顔面や肋骨などを骨折することがあります。
病気による骨折
- 骨粗鬆症: 骨粗鬆症は、骨密度が低下し、骨がもろくなる病気です。骨粗鬆症になると、わずかな衝撃でも骨折しやすくなります。
- 骨腫瘍: 骨に腫瘍ができると、骨が弱くなり、骨折しやすくなります。
- 感染症: 骨に細菌が感染すると、骨が弱くなり、骨折しやすくなります。
骨折の種類は?
骨折は、その程度や形状によって、様々な種類に分類されます。
完全骨折と不全骨折
- 完全骨折: 骨が完全に折れている状態です。
- 不全骨折: 骨にひびが入っている状態です。
骨折線の形状による分類
- 横骨折: 骨折線が骨の長軸に対して垂直に走っている骨折です。
- 斜骨折: 骨折線が骨の長軸に対して斜めに走っている骨折です。
- 螺旋骨折: 骨折線が骨をらせん状に巻いている骨折です。
- 粉砕骨折: 骨が粉々に砕けている骨折です。
骨折部の状態による分類
- 開放骨折: 骨折部が皮膚の外に露出している骨折です。感染症のリスクが高いため、緊急の治療が必要です。
- 閉鎖骨折: 骨折部が皮膚の中に留まっている骨折です。
骨折の症状は?
骨折の症状は、骨折の種類や部位によって異なりますが、一般的には以下のものが挙げられます。
- 痛み: 骨折した部位に強い痛みを感じます。
- 腫れ: 骨折した部位が腫れます。
- 皮下出血: 骨折した部位の皮膚の下に出血が起こり、青あざができます。
- 変形: 骨折した部位が変形することがあります。
- 異常可動性: 骨折した部位が不自然に動くことがあります。
- 機能障害: 骨折した部位の機能が低下します。例えば、手首を骨折すると、手を動かすことができなくなります。
骨折かな?と思ったら…応急処置
骨折かな?と思ったら、以下の応急処置を行いましょう。
- 安静: 骨折した部位を動かさないようにしましょう。
- 固定: 副木や三角巾などで骨折した部位を固定しましょう。
- 冷却: 腫れや痛みを軽減するために、氷嚢や保冷剤などで骨折した部位を冷やしましょう。
- 病院へ: 早めに病院を受診し、適切な治療を受けましょう。
骨折の治療法は?
骨折の治療法は、骨折の種類や程度によって異なりますが、一般的には以下の方法が行われます。
保存療法
- 固定: ギプスやシーネ、装具などで骨折した部位を固定し、骨が自然に癒合するのを待ちます。
- 牽引: 牽引療法は、骨折した骨を正しい位置に戻し、固定する治療法です。
- 薬物療法: 痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や消炎鎮痛剤が処方されることがあります。
手術療法
- 観血的整復固定術: 骨折した骨を手術で正しい位置に戻し、金属製のプレートやネジなどで固定する手術です。
- 創外固定術: 骨折した骨を皮膚の外から金属製のピンやワイヤーで固定する手術です。
骨折後のリハビリは?
骨折が治癒した後には、リハビリテーションを行い、関節の動きや筋力を回復させることが大切です。
リハビリテーションは、理学療法士の指導のもと、ストレッチや筋力トレーニング、関節可動域訓練などを行います。
まとめ
骨折は、早期発見・早期治療が大切です。
もし骨折の疑いがある場合は、自己判断せず、早めに専門家にご相談ください。
当院では、骨折の種類や程度を特定し、症状に合わせた適切な施術を行います。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。