ゴルフは、老若男女問わず楽しめる人気のスポーツですが、一方で体に負担がかかりやすいスポーツでもあります。特に肘は、スイング動作において繰り返し負荷がかかるため、「ゴルフ肘」と呼ばれる症状を引き起こすことがあります。
ゴルフ肘は、正式には「上腕骨内側上顆炎」と呼ばれ、肘の内側に痛みが生じます。「ボールを打つと肘の内側が痛い」「タオルを絞ると痛みが走る」といった症状は、ゴルフ肘のサインかもしれません。
今回は、ゴルフ肘の原因と症状、そして効果的な改善策について詳しく解説していきます。ゴルフ愛好家の方はもちろん、肘の痛みにお悩みの方もぜひ最後までご覧ください。
ゴルフ肘の原因
ゴルフ肘は、肘の内側にある筋肉や腱に繰り返し負担がかかることで、炎症が起こり痛みが生じます。主な原因は以下の通りです。
- オーバーユース(使いすぎ): ゴルフのスイングは、肘の内側の筋肉や腱に大きな負担をかける動作です。特に、練習量が多い方や、間違ったフォームでスイングしている方は、肘の内側の組織に繰り返し負担がかかり、炎症を起こしやすくなります。
- 間違ったフォーム: ゴルフのスイングは、全身の連動が重要ですが、間違ったフォームでスイングすると、肘に過度な負担がかかり、ゴルフ肘を引き起こす原因となります。特に、ダウンスイングでの手首の使いすぎや、インパクト時の肘の曲げすぎは、肘の内側に大きな負担をかけます。
- 準備運動不足: ゴルフを始める前の準備運動不足は、筋肉や関節の柔軟性を低下させ、怪我のリスクを高めます。特に、手首や肘周りのストレッチを十分に行わないと、スイング中の肘の動きが悪くなり、肘の内側に負担がかかりやすくなります。
- 筋力不足: 手首や指を動かす筋肉が弱いと、肘にかかる負担が大きくなり、ゴルフ肘になりやすくなります。特に、前腕の屈筋群(手首を曲げる筋肉)の弱さは、ゴルフ肘のリスクを高めます。
- 加齢: 加齢によって、筋肉や腱の柔軟性が低下し、損傷しやすくなるため、ゴルフ肘のリスクが高まります。
ゴルフ肘の症状
ゴルフ肘の症状は、以下の通りです。
- 肘の内側の痛み: 肘の内側にある骨の出っ張った部分(上腕骨内側上顆)を押すと痛みを感じます。
- 握力低下: 握力が低下し、物が握りにくくなることがあります。
- 手首や指の痛み: 肘の痛みだけでなく、手首や指にも痛みやしびれを感じる場合があります。
- 日常生活での動作の制限: ドアノブを回す、タオルを絞る、ペットボトルの蓋を開けるなどの動作で痛みが生じ、日常生活に支障をきたすことがあります。
- 朝のこわばり: 朝起きたときに、肘の内側がこわばる感じがあります。
ゴルフ肘の改善策
ゴルフ肘の改善には、以下の方法が有効です。
- 安静: 痛みが強い場合は、まず肘を休ませることが大切です。ゴルフの練習やラウンドを控え、肘を安静に保ちましょう。
- アイシング: 炎症を抑えるために、痛む部分を冷やしましょう。氷のうや保冷剤などをタオルに包んで、10~15分程度冷やします。
- サポーターやテーピング: サポーターやテーピングで肘を固定することで、関節を安定させ、痛みの軽減や炎症の悪化を防ぐことができます。
- ストレッチ: 手首や指、前腕の筋肉をストレッチすることで、筋肉の柔軟性を高め、血行を促進することができます。
- 筋力トレーニング: 手首や指を動かす筋肉を鍛えることで、肘にかかる負担を軽減し、ゴルフ肘の再発を予防することができます。チューブを使ったトレーニングや、軽いダンベルを使ったトレーニングなどが効果的です。
- 正しいフォームの習得: 間違ったフォームでスイングを続けると、肘に過度な負担がかかり、ゴルフ肘を悪化させる原因となります。専門家(プロゴルファーやレッスンプロ)に指導を受け、正しいフォームを習得しましょう。
- 薬物療法: 痛みが強い場合は、医師に相談し、消炎鎮痛剤や湿布薬などを処方してもらうことがあります。
- 注射: 痛みが強い場合や、他の治療法で効果がない場合は、ステロイド注射を行うことがあります。
- 手術: 保存療法で改善しない重症の場合は、手術を行うこともあります。
整骨院での施術
整骨院では、ゴルフ肘に対して、手技療法や物理療法、鍼灸などの施術を行うことができます。
- 手技療法: マッサージやストレッチなどにより、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進します。肘関節の動きを改善する施術や、前腕の筋肉のバランスを整える施術などがあります。
- 物理療法: 超音波や電気療法などにより、炎症を抑え、痛みの緩和を図ります。
- 鍼灸: 鍼灸治療は、ツボを刺激することで、血行を促進し、痛みを和らげる効果があります。
まとめ
ゴルフ肘は、早期に適切な対処をすることで、症状を改善することができます。
当院では、ゴルフ肘の原因を特定し、症状に合わせた適切な施術を行います。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。