背骨が左右に曲がっている、肩の高さが違う、腰のラインが左右非対称…もしかしたら、それは「脊椎側弯症」のサインかもしれません。脊椎側弯症は、背骨が横に曲がる病気で、特に成長期の子供に多く見られます。
今回は、脊椎側弯症について詳しく解説し、その原因、症状、そして改善策をご紹介します。早期発見・早期治療が重要な脊椎側弯症、一緒に正しい知識を身につけ、適切な対処法を知りましょう。
脊椎側弯症とは?
脊椎側弯症とは、背骨が左右に曲がり、ねじれを伴う病気です。正面から見たときに背骨がまっすぐではなく、S字状やC字状に曲がっている状態を指します。
脊椎側弯症は、その原因によって大きく3つのタイプに分けられます。
- 特発性側弯症:最も多いタイプで、原因不明の側弯症です。全体の約8割を占めます。
- 先天性側弯症:生まれつき背骨に異常があることが原因で起こる側弯症です。
- 症候性側弯症:神経や筋肉の病気、外傷などが原因で起こる側弯症です。
脊椎側弯症は、成長期の子供に多く見られますが、大人になってから発症することもあります。また、女性の方が男性よりも発症しやすい傾向があります。
脊椎側弯症の症状
脊椎側弯症の症状は、曲がり具合や進行度によって異なりますが、代表的な症状は以下の通りです。
- 肩の高さが左右で違う
- 肩甲骨の片方が出っ張っている
- 腰のラインが左右非対称
- 肋骨が左右で高さが違う
- 体が傾いている
- 片方の靴のかかとの減りが早い
これらの症状は、見た目の問題だけでなく、進行すると腰痛や肩こり、呼吸困難などの症状を引き起こすこともあります。
脊椎側弯症の原因
脊椎側弯症の原因は、タイプによって異なります。
特発性側弯症
- 原因は不明ですが、遺伝的な要因やホルモンバランス、成長期の骨の成長などが関与していると考えられています。
先天性側弯症
- 胎児期に背骨が形成される過程で、何らかの異常が起こることが原因です。
症候性側弯症
- 神経や筋肉の病気(脳性麻痺、筋ジストロフィー、脊髄腫瘍など)や、外傷、炎症などが原因で起こります。
脊椎側弯症の診断
脊椎側弯症は、以下の方法で診断されます。
- 視診と触診:医師が背骨の曲がり具合や肩甲骨の突出などを確認します。
- X線検査:背骨の曲がり具合や角度を正確に測定するために、X線検査を行います。
- その他の検査:必要に応じて、MRI検査やCT検査、神経学的検査などが行われることもあります。
脊椎側弯症の改善策
脊椎側弯症の治療法は、曲がり具合や進行度、年齢などによって異なります。
経過観察
- 曲がり具合が軽度で、進行が見られない場合は、定期的な検査で経過観察を行います。
装具療法
- 曲がり具合が中等度で、成長期にある場合は、装具を装着することで、側弯の進行を予防することができます。
運動療法
- 理学療法士などの専門家による指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングなどを行います。
- 筋肉のバランスを整え、姿勢を改善することで、側弯の進行を抑制したり、痛みを軽減したりすることができます。
手術療法
- 曲がり具合が重度で、日常生活に支障がある場合や、他の治療法で効果が得られない場合に検討されます。
- 背骨を矯正し、金属製のロッドやスクリューなどで固定する手術が行われます。
日常生活での注意点
脊椎側弯症の予防や進行を遅らせるためには、以下の点に注意しましょう。
- 正しい姿勢を意識する:猫背や足を組む癖などは、背骨に負担をかけるため、正しい姿勢を心がけましょう。
- 適度な運動:適度な運動は、筋肉を強化し、背骨を支える力を養うことができます。
- バランスの取れた食事:カルシウムやビタミンDなど、骨の成長に必要な栄養素を十分に摂取しましょう。
- 早期発見・早期治療:少しでも背骨の曲がりや身体の歪みが気になる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
当院では、脊椎側弯症の原因を特定し、症状に合わせた適切な施術を行います。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。