ある朝、突然耳が聞こえにくくなった、耳鳴りがする…そんな経験はありませんか?それは、「突発性難聴」のサインかもしれません。突発性難聴は、ある日突然、原因不明の難聴や耳鳴りが起こる病気です。
今回は、突発性難聴について詳しく解説し、その原因、症状、そして改善策をご紹介します。早期発見・早期治療が重要な突発性難聴、一緒に正しい知識を身につけ、聴力回復を目指しましょう。
突発性難聴とは?
突発性難聴とは、明確な原因が特定できないまま、ある日突然、片方の耳が聞こえにくくなる病気です。多くの場合、耳鳴りや耳の閉塞感、めまいなどを伴います。
突発性難聴は、内耳にある蝸牛(かぎゅう)という器官の障害によって起こると考えられています。蝸牛には、音を感知する細胞(有毛細胞)があり、この細胞が何らかの原因で傷ついたり、機能しなくなったりすることで難聴が起こります。
突発性難聴の症状
突発性難聴の主な症状は以下の通りです。
- 難聴:ある日突然、片方の耳が聞こえにくくなります。
- 耳鳴り:キーンという高い音や、ジーという低い音など、様々な種類の耳鳴りが聞こえます。
- 耳の閉塞感:耳が詰まったような、圧迫感を感じることがあります。
- めまい:回転性のめまいや、ふらつきを感じることがあります。
これらの症状は、数時間から数日かけて徐々に悪化することがあります。また、症状の程度も人によって異なり、軽度の難聴から、全く聞こえなくなる重度の難聴まで様々です。
突発性難聴の原因
突発性難聴の詳しい原因は、まだ解明されていません。しかし、以下の要因が関係している可能性が考えられています。
ウイルス感染
- 内耳にウイルスが感染し、蝸牛の有毛細胞を傷つけることで、突発性難聴を引き起こす可能性があります。
血液循環障害
- 内耳への血流が悪くなることで、蝸牛の有毛細胞が酸素不足に陥り、機能しなくなることがあります。
ストレス
- ストレスは、自律神経のバランスを乱し、内耳の血流を悪化させることで、突発性難聴のリスクを高める可能性があります。
その他の要因
- 内耳の腫瘍
- 自己免疫疾患
- 聴神経腫瘍
- メニエール病
突発性難聴の診断
突発性難聴は、聴力検査やMRI検査などによって診断されます。聴力検査では、どの程度の難聴があるのか、どの周波数の音が聞こえにくいのかなどを調べます。MRI検査では、脳腫瘍や聴神経腫瘍など、他の疾患との鑑別を行います。
突発性難聴の改善策
突発性難聴は、早期発見・早期治療が重要です。症状が現れたら、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。治療が遅れると、聴力回復が難しくなる可能性があります。
薬物療法
- ステロイド薬:炎症を抑え、血行を改善する効果があります。
- 血液循環改善薬:内耳の血流を改善する薬です。
- ビタミン剤:神経の働きを助けるビタミン剤が処方されることがあります。
- その他の薬物:症状に合わせて、利尿剤や抗ウイルス薬などが処方されることがあります。
その他の治療法
- 星状神経節ブロック:首にある星状神経節に麻酔薬を注射し、交感神経の働きを抑えることで、内耳の血流を改善する治療法です。
- 高圧酸素療法:高い気圧下で酸素を吸入することで、内耳の酸素不足を改善する治療法です。
日常生活での注意点
- 安静:十分な睡眠と休息を取り、ストレスを避けましょう。
- 禁煙:喫煙は、血行を悪くするため、禁煙することが大切です。
- 騒音の回避:大きな音は、耳に負担をかけるため、なるべく避けましょう。
突発性難聴の予後
突発性難聴の予後は、早期に治療を開始した場合、約3分の1の人が完全に聴力が回復し、約3分の1の人は部分的に聴力が回復します。しかし、残りの約3分の1の人は、聴力が回復しないことがあります。
早期発見・早期治療が重要です。少しでも耳に異常を感じたら、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
当院では、突発性難聴の原因を特定し、症状に合わせた適切な施術を行います。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。