飲み込む時やあくびをする時に、喉の奥や舌の奥に激痛が走る…もしかしたら、それは「舌咽神経痛」かもしれません。舌咽神経痛は、脳神経の一つである舌咽神経に沿って起こる神経痛で、その痛みは非常に激しいと言われています。
今回は、舌咽神経痛について詳しく解説し、その原因、症状、そして改善策をご紹介します。比較的稀な疾患である舌咽神経痛ですが、正しい知識を持つことで、早期発見・早期治療に繋がります。一緒に理解を深め、適切な対処法を知りましょう。
舌咽神経痛とは?
舌咽神経痛とは、脳神経の一つである舌咽神経に沿って、喉の奥や舌の奥、耳の奥などに電撃のような激しい痛みが突然起こる神経痛の一種です。
舌咽神経は、舌や咽頭(喉)の感覚や運動、一部の味覚を司る神経です。この神経が何らかの原因で刺激されると、その支配領域に激しい痛みが生じます。
舌咽神経痛の症状
舌咽神経痛の主な症状は以下の通りです。
- 喉の奥や舌の奥、耳の奥の痛み:最も特徴的な症状で、電撃のような、刺すような、あるいは焼けるような激しい痛みが突然起こります。
- 痛みの持続時間:痛みの持続時間は、数秒から数分間と短いことが多いですが、繰り返し起こることがあります。
- 痛みの誘発:飲み込む、あくびをする、話す、咳をする、くしゃみをするなどの動作で痛みが誘発されることがあります。
- 舌の後方の味覚異常:舌の後方の味覚が鈍くなる、または異常な味を感じるなどの症状が現れることがあります。
- その他の症状:めまい、吐き気、失神などを伴うこともあります。
これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、食事や会話が困難になるなど、生活の質を著しく低下させることがあります。
舌咽神経痛の原因
舌咽神経痛の原因は、大きく2つに分けられます。
特発性舌咽神経痛
- 原因不明の舌咽神経痛です。
- 脳幹部で舌咽神経が血管に圧迫されることが原因の一つと考えられていますが、詳しいメカニズムは解明されていません。
症候性舌咽神経痛
- 脳腫瘍や多発性硬化症など、他の疾患が原因で起こる舌咽神経痛です。
- 原因疾患の治療が必要となります。
舌咽神経痛になりやすい人の特徴
舌咽神経痛は、比較的稀な疾患ですが、以下のような特徴を持つ人に発症しやすいと言われています。
- 中高年:50歳以上の人に多く見られます。
- 女性:男性よりも女性に多く発症する傾向があります。
- 脳腫瘍や多発性硬化症などの疾患がある人:これらの疾患は、症候性舌咽神経痛の原因となることがあります。
舌咽神経痛の改善策
舌咽神経痛の治療法は、原因や症状の程度によって異なりますが、主な改善策は以下の通りです。
薬物療法
- 抗てんかん薬:神経の興奮を抑える薬で、特発性舌咽神経痛の第一選択薬として用いられます。
- 三環系抗うつ薬:痛みの伝達を抑制する効果があり、抗てんかん薬で効果が不十分な場合に併用されることがあります。
- その他の薬物:症状に合わせて、筋弛緩薬や漢方薬などが処方されることがあります。
手術療法
- 薬物療法で効果が不十分な場合や、副作用が強い場合に検討されます。
- 微小血管減圧術:神経を圧迫している血管を移動させる手術です。
- 舌咽神経ブロック:舌咽神経に局所麻酔薬を注射し、痛みを一時的に遮断する治療法です。
その他の治療法
- 星状神経節ブロック:首にある星状神経節に麻酔薬を注射し、交感神経の働きを抑えることで、痛みを和らげる治療法です。
- 鍼灸治療:鍼灸治療は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。
日常生活での注意点
舌咽神経痛の症状を悪化させないためには、以下の点に注意しましょう。
- 誘発因子を避ける:飲み込む、あくびをする、話す、咳をする、くしゃみをするなどの動作は、痛みの誘発因子となるため、注意が必要です。
- ストレスを解消する:ストレスは、舌咽神経痛の症状を悪化させる可能性があるため、リラックスできる時間を作るなど、ストレスを解消する工夫をしましょう。
- 規則正しい生活を送る:十分な睡眠を取り、バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 刺激物を避ける:辛い食べ物や熱い飲み物は、喉を刺激し、痛みを誘発することがあるため、控えましょう。
当院では、舌咽神経痛の原因を特定し、症状に合わせた適切な施術を行います。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。