親指の付け根に痛みや腫れ、変形を感じていませんか?それは、「母指CM関節症」のサインかもしれません。母指CM関節症は、親指の付け根にある関節の軟骨がすり減り、炎症を起こすことで痛みや変形を引き起こす疾患です。
今回は、母指CM関節症について詳しく解説し、その原因、症状、そして改善策をご紹介します。早期発見・早期治療が重要な母指CM関節症、一緒に正しい知識を身につけ、適切な対処法を知りましょう。
母指CM関節症とは?
母指CM関節症とは、親指の付け根にある関節(母指手根中手関節:CM関節)の軟骨がすり減り、炎症を起こすことで痛みや変形を引き起こす疾患です。変形性関節症の一種であり、進行すると関節の変形が進んで日常生活に支障をきたすことがあります。
CM関節は、親指を様々な方向に動かすために重要な関節です。しかし、加齢や使いすぎによって軟骨がすり減ると、骨同士が直接ぶつかり合い、炎症や痛みを引き起こします。
母指CM関節症の症状
母指CM関節症の症状は、進行度合いによって異なりますが、代表的な症状は以下の通りです。
- 親指の付け根の痛み:初期は、親指を使う動作(物をつまむ、握る、ひねるなど)で痛みを感じます。進行すると、安静時にも痛みを感じたり、夜間や明け方に痛みが強くなったりすることがあります。
- 親指の付け根の腫れ:関節に炎症が起こると、腫れが生じることがあります。
- 親指の付け根の変形:関節の変形が進むと、親指の付け根が外側に曲がったり、突き出たりするなどの変形が見られます。
- 親指の動かしにくさ:痛みや変形によって、親指を動かしにくくなることがあります。
- 握力の低下:親指の付け根の痛みや変形によって、握力が低下することがあります。
これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると症状が悪化し、関節の機能が完全に失われる可能性もあります。
母指CM関節症の原因
母指CM関節症の詳しい原因は解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
加齢
- 加齢とともに、関節軟骨がすり減り、変形しやすくなります。
- 40歳以上の中高年女性に多く見られることから、女性ホルモンの減少も関係していると考えられています。
親指の使い過ぎ
- パソコンやスマートフォンの操作、家事、手芸など、親指を繰り返し使う動作は、CM関節に負担をかけ、軟骨の摩耗を促進します。
遺伝的要因
- 母指CM関節症は、遺伝的な要因も関与していると考えられています。
- 家族に母指CM関節症の人がいる場合、発症リスクが高まります。
その他の要因
- 関節リウマチ:関節リウマチは、全身の関節に炎症が起こる病気で、CM関節にも炎症が起こり、母指CM関節症を引き起こすことがあります。
- ケガ:過去の親指のケガ(骨折、脱臼、捻挫など)が、母指CM関節症の発症に関与することがあります。
母指CM関節症の診断
母指CM関節症は、以下の方法で診断されます。
- 問診:医師が、痛みの程度や発症時期、誘発因子などを詳しく聞きます。
- 視診・触診:医師が、親指の付け根の腫れや変形、圧痛などを確認します。
- X線検査:関節の変形や骨棘の有無を確認するために、X線検査を行います。
母指CM関節症の改善策
母指CM関節症の治療法は、症状の程度や進行度合いによって異なりますが、主な改善策は以下の通りです。
保存療法
- 安静:親指の付け根を安静にすることが大切です。サポーターやテーピングで固定することも有効です。
- 薬物療法:痛み止めや炎症を抑える薬が処方されます。
- ステロイド注射:関節内にステロイドを注射することで、炎症を抑え、痛みを和らげることができます。
- リハビリテーション:理学療法士などの専門家による指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングなどを行います。
手術療法
- 保存療法で効果が得られない場合や、関節の変形がひどい場合に検討されます。
- 関節固定術や人工関節置換術などが行われます。
日常生活での注意点
母指CM関節症の予防や症状の悪化を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。
- 親指の使い過ぎに注意する:パソコンやスマートフォンの長時間使用は避け、こまめに休憩を取りましょう。
- 親指を温める:親指を温めることで、血行が促進され、痛みやこわばりが緩和されることがあります。
- 親指を冷やさない:親指を冷やすと、血行が悪くなり、症状が悪化することがあります。
- サポーターやテーピングで固定する:親指の付け根を固定することで、関節への負担を軽減することができます。
当院では、母指CM関節症の原因を特定し、症状に合わせた適切な施術を行います。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。