肘の痛みや違和感、力が入りにくい…そんな症状はありませんか?それは、「肘筋腱炎」かもしれません。肘筋腱炎は、肘の関節を動かす筋肉や腱に炎症が起こることで、日常生活やスポーツ活動に支障をきたすことがあります。
今回は、肘筋腱炎について詳しく解説し、その原因、症状、そして改善策をご紹介します。肘筋腱炎は、適切な治療とリハビリを行うことで改善が期待できます。一緒に正しい知識を身につけ、肘の痛みから解放されましょう。
肘筋腱炎とは?
肘筋腱炎とは、肘関節を動かす筋肉や腱に炎症が起こることで、肘に痛みや腫れ、運動制限などを引き起こす疾患の総称です。具体的には、以下の3つのタイプに分けられます。
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘):手首や指を伸ばす筋肉(短橈側手根伸筋など)の使いすぎによって起こる炎症です。
- 上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘):手首や指を曲げる筋肉(円回内筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋など)の使いすぎによって起こる炎症です。
- 上腕三頭筋腱炎:二の腕の後ろ側にある上腕三頭筋の腱に炎症が起こることで、肘の後ろ側に痛みを感じます。
これらの炎症は、スポーツや仕事、日常生活での動作など、肘に繰り返し負担がかかることで起こります。
肘筋腱炎の症状
肘筋腱炎の症状は、炎症の部位や程度によって異なりますが、代表的な症状は以下の通りです。
- 肘の痛み:炎症が起こっている部位に痛みを感じます。
- 圧痛:炎症が起こっている部位を押すと痛みを感じます。
- 腫れ:炎症によって、肘が腫れることがあります。
- 熱感:炎症によって、患部が熱を持つことがあります。
- 運動制限:肘の動きが悪くなり、曲げ伸ばしやひねる動作が制限されることがあります。
- 筋力低下:痛みのために、肘の筋肉が使われなくなり、筋力が低下することがあります。
これらの症状は、日常生活やスポーツ活動に支障をきたすだけでなく、放置すると症状が悪化し、慢性的な痛みに悩まされる可能性があります。
肘筋腱炎の原因
肘筋腱炎は、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられていますが、主な原因は以下の通りです。
スポーツ
- テニス:バックハンドストロークやサーブなどの動作を繰り返すことで、手首や指を伸ばす筋肉に負担がかかり、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)を引き起こしやすくなります。
- ゴルフ:スイングのインパクト時に、手首や指を曲げる筋肉に負担がかかり、上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)を引き起こしやすくなります。
- 野球:投球動作やバッティングの繰り返しによって、肘の筋肉や腱に負担がかかり、肘筋腱炎を引き起こしやすくなります。
日常生活動作
- パソコン作業:キーボードやマウスを長時間操作するなど、手首や指を繰り返し使う動作は、肘筋腱炎のリスクを高めます。
- 家事:料理、洗濯、掃除など、手首や指を繰り返し使う家事は、肘筋腱炎の原因となることがあります。
- 重い荷物を持つ:重い荷物を持つと、肘の筋肉や腱に負担がかかり、炎症を起こしやすくなります。
仕事
- 同じ動作の繰り返し:工場でのライン作業や、美容師、調理師など、手首や指を繰り返し使う仕事は、肘筋腱炎のリスクを高めます。
- 振動工具の使用:振動工具を長時間使用すると、肘に負担がかかり、炎症が起こりやすくなります。
その他
- 加齢:加齢とともに、腱や筋肉が衰え、損傷しやすくなるため、肘筋腱炎のリスクが高まります。
- 遺伝的要因:肘筋腱炎は、遺伝的な要因も関与していると考えられています。
肘筋腱炎の改善策
肘筋腱炎の治療法は、症状の程度や原因によって異なりますが、主な改善策は以下の通りです。
保存療法
- 安静:痛みが強い場合は、肘を休ませることが大切です。サポーターや装具で肘を固定することも有効です。
- 冷却:炎症が強い場合は、アイシングなどで患部を冷やすことで、痛みや腫れを抑えることができます。
- 圧迫:弾性包帯などで肘を圧迫することで、腫れを抑えることができます。
- 薬物療法:痛み止めや炎症を抑える薬が処方されることがあります。
- リハビリテーション:理学療法士などの専門家による指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングなどを行います。
- 体外衝撃波治療:衝撃波を患部に当てることで、痛みの軽減や組織の修復を促す治療法です。
- PRP療法(多血小板血漿療法):自分の血液から抽出した多血小板血漿を患部に注射することで、組織の修復を促進する治療法です。
手術療法
- 保存療法で効果が得られない場合や、腱が断裂している場合に検討されます。
- 損傷した腱を修復したり、骨棘を除去したりする手術が行われます。
日常生活での注意点
肘筋腱炎の予防や再発防止のためには、以下の点に注意しましょう。
- 肘の使い過ぎに注意する:パソコン作業や手作業など、肘を繰り返し使う場合は、こまめに休憩を取りましょう。
- 正しいフォームで運動する:スポーツをする際は、正しいフォームで運動し、無理な力を加えないようにしましょう。
- ストレッチ:肘のストレッチを習慣化することで、筋肉の柔軟性を高め、ケガの予防に繋がります。
- 適切な道具を選ぶ:テニスラケットやゴルフクラブなど、自分に合った道具を選ぶことも大切です。
- 痛みが続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
当院では、肘筋腱炎の原因を特定し、症状に合わせた適切な施術を行います。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。