足首の外側が痛い、腫れている、歩くと痛みが強くなる…もしかしたら、それは「脛腓靭帯損傷」かもしれません。脛腓靭帯損傷は、足首の外側にある靭帯が損傷するケガで、スポーツ選手だけでなく、日常生活での転倒などでも起こりうるものです。
今回は、脛腓靭帯損傷について詳しく解説し、その原因、症状、そして改善策をご紹介します。早期発見・早期治療が重要な脛腓靭帯損傷、一緒に正しい知識を身につけ、適切な対処法を知りましょう。
脛腓靭帯損傷とは?
脛腓靭帯損傷とは、足関節の外側にある「前脛腓靭帯」「後脛腓靭帯」「踵腓靭帯」の3つの靭帯のうち、いずれか、あるいは複数が損傷してしまうケガです。これらの靭帯は、足関節の外側の安定性を保つために重要な役割を果たしており、損傷すると足首が不安定になり、痛みや腫れを引き起こします。
脛腓靭帯損傷は、スポーツ中の急な方向転換や着地、転倒など、足首を捻る動作によって起こることが多いです。特に、バスケットボールやサッカー、バレーボールなど、足首への負担が大きいスポーツで多く見られます。
脛腓靭帯損傷の症状
脛腓靭帯損傷の症状は、損傷の程度によって異なりますが、代表的な症状は以下の通りです。
- 足首の外側の痛み:損傷した靭帯周辺に痛みを感じます。
- 足首の外側の腫れ:損傷部位に炎症が起こり、足首の外側が腫れることがあります。
- 足首の不安定感:靭帯が損傷すると、足首がぐらつくような不安定感を感じることがあります。
- 歩行時の痛み:体重をかけると痛みが強くなり、歩行が困難になることがあります。
- 足首の可動域制限:痛みのために、足首を自由に動かせなくなることがあります。
- 皮下出血:損傷部位で内出血が起こり、皮膚が青黒くなることがあります。
これらの症状は、日常生活やスポーツ活動に支障をきたすだけでなく、放置すると症状が悪化し、慢性的な痛みや関節の不安定性につながる可能性があります。
脛腓靭帯損傷の原因
脛腓靭帯損傷は、主に以下の原因によって引き起こされます。
スポーツ中のケガ
- 足首の捻挫:スポーツ中や日常生活での転倒、ジャンプの着地時などに、足首を内側に捻ることで、脛腓靭帯が損傷することがあります。
- 接触による外力:コンタクトスポーツなどで、相手に足を踏まれたり、ぶつかったりすることで、脛腓靭帯が損傷することがあります。
転倒
- 段差につまずいたり、滑りやすい場所で転倒したりすることで、足首を捻り、脛腓靭帯が損傷することがあります。
交通事故
- 交通事故で足首に強い衝撃が加わることで、脛腓靭帯が損傷することがあります。
その他
- 足関節の不安定性:生まれつき足関節が緩い人や、過去の捻挫によって靭帯が伸びてしまった人は、脛腓靭帯損傷のリスクが高まります。
- 筋力不足:足関節周囲の筋肉が弱いと、足首を安定させる力が弱まり、脛腓靭帯に負担がかかりやすくなります。
脛腓靭帯損傷の診断
脛腓靭帯損傷は、以下の方法で診断されます。
- 問診:医師が、痛みの程度や発症時期、ケガの状況などを詳しく聞きます。
- 視診・触診:医師が、足首の腫れや圧痛、関節の不安定性などを確認します。
- X線検査:骨折の有無を確認するために、X線検査を行います。
- MRI検査や超音波検査:靭帯の損傷の程度を詳しく評価するために、MRI検査や超音波検査が行われることがあります。
脛腓靭帯損傷の改善策
脛腓靭帯損傷の治療法は、損傷の程度や症状によって異なりますが、主な改善策は以下の通りです。
保存療法
- 安静と固定:足首を安静にし、サポーターやテーピングなどで固定することで、靭帯の治癒を促します。
- 冷却:炎症が強い場合は、アイシングなどで患部を冷やすことで、痛みや腫れを抑えることができます。
- 圧迫:弾性包帯などで足首を圧迫することで、腫れを抑えることができます。
- 挙上:足を心臓より高い位置に挙上することで、腫れや内出血を軽減することができます。
- 薬物療法:痛み止めや炎症を抑える薬が処方されることがあります。
- リハビリテーション:理学療法士などの専門家による指導のもと、足首のストレッチや筋力トレーニング、バランス訓練などを行います。
手術療法
- 靭帯が完全に断裂している場合や、保存療法で効果が得られない場合に検討されます。
- 損傷した靭帯を修復する手術が行われます。
日常生活での注意点
脛腓靭帯損傷の予防や再発防止のためには、以下の点に注意しましょう。
- 運動前のウォーミングアップとクールダウン:運動前には必ずウォーミングアップを行い、運動後にはクールダウンを行いましょう。
- 足関節の筋力トレーニング:足関節周囲の筋肉を強化することで、足首の安定性を高めることができます。
- バランス訓練:バランス能力を高めることで、転倒やケガのリスクを減らすことができます。
- 適切なシューズ選び:スポーツや活動内容に合ったシューズを選び、足首をサポートしましょう。
当院では、脛腓靭帯損傷の原因を特定し、症状に合わせた適切な施術を行います。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。