「最近、家や職場の近くにリラクゼーションサロンができたけど、マッサージとはどう違うんだろう?」
「心も身体も癒やされたいけど、リラクゼーションとマッサージのどちらに行けばいいかわからない…」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、リラクゼーションとマッサージには資格の有無や目的など、さまざまな違いが存在します。あらかじめ両者の特徴を把握しておけば、自分が求めている施術を受けられて、より満足度の高い体験ができるでしょう。
この記事では、リラクゼーションとマッサージの基本的な違いをわかりやすく解説し、さらに「どちらを選ぶべきか迷ったときに注目すべきポイント」も詳しくご紹介します。読んでいただければ、症状や目的に応じて適切な施術を選べるようになるはずです。
リラクゼーションとは?
リラクゼーションとは、心身の緊張を解きほぐし、リラックス状態を促すための施術やサービス全般を指す言葉です。日本では主に和製英語として「癒やし」「くつろぎ」をもたらす行為をまとめてリラクゼーションと呼ぶことが多く、具体的な手技の種類は非常に幅広いのが特徴です。
国家資格の有無
リラクゼーションの施術を行うセラピストには、国家資格はありません。サロン独自の研修制度や民間団体のスクールなどで知識・技術を習得し、お客様に施術を提供しているのが一般的です。
整体やリフレクソロジー、アロマテラピー、足つぼなど、国によっては医療的に認められている技術もありますが、日本においては民間資格の位置づけとなっています。
目的
リラクゼーションの最大の目的は、「心身の疲れを癒やし、リラックスさせること」です。肩こりや腰痛などの不調に対してもケアを行いますが、医療行為ではなく、あくまでも癒やしやストレス解消を目的としたアプローチが中心です。
施術内容の多様性
リラクゼーションサロンでは、多種多様なメニューが用意されていることが多いです。たとえば、ヘッドスパや岩盤浴、ハンドケアや酸素カプセル、アロマオイルトリートメントなど、その選択肢は実に豊富です。
施術の内容がサロンごとに異なるので、「何をしてもらえるのか?」を事前に調べてから予約すると、希望するケアを受けやすいでしょう。
保険適用の有無
リラクゼーションサロンでの施術には、健康保険が適用されません。基本的に医療行為とは認められていないので、全額自費での利用となります。その分、自由度が高く、施術時間や料金メニューを多彩に選べるサロンが多いのも魅力です。
マッサージとは?
一方、一般的に「マッサージ」と呼ばれているケアの中には、実は国家資格を必要とする施術も含まれます。ここでは、正式に認められている「あん摩マッサージ指圧師」によるマッサージを中心に解説します。
国家資格「あん摩マッサージ指圧師」
本来の意味でのマッサージとは、あん摩マッサージ指圧師という国家資格を持つ施術者が行う手技療法を指します。この資格を取得するには、国の指定する専門学校や大学で3~4年にわたって解剖学や生理学などを学び、国家試験に合格しなければなりません。
合格率は毎年約85%程度で、合格すれば正式に「マッサージ師」として施術が許可されます。
目的
マッサージ師による施術は、医療の一環としての側面が強く、症状の改善が主な目的です。具体的には以下のような症状が対象になりやすいです。
- 肩こりや腰痛、冷え、むくみなどの不定愁訴
- 神経痛、リウマチ、脳卒中後の後遺症
- 捻挫の後遺症、関節の変形・拘縮など
筋肉や関節に直接アプローチし、血行促進や新陳代謝の活性化を狙うことで、痛みの緩和や可動域の改善に寄与すると考えられています。
健康保険適用の有無
国家資格を持つマッサージ師による医療マッサージは、一定の条件を満たすと健康保険の適用を受けられます。具体的には、医師が必要と認めて同意書を書いた場合などが該当します。
以下のようなケースで健康保険が活用される可能性があります。
- 筋麻痺や関節拘縮など、医師が「理学療法の代わりにマッサージが必要」と認めた場合
- 国家資格を持つマッサージ師が、症状改善を目的として施術を行う場合
- 初回は医師の同意書が必要で、継続する場合は6か月ごとに医師の再同意を受ける
保険適用されれば、マッサージ代の自己負担額が大幅に軽減されます。また、医療費控除の対象となるため、確定申告で控除が受けられるメリットもあります。
リラクゼーションとマッサージはどう違うのか
ここで、リラクゼーションとマッサージの主な違いを整理しておきましょう。大きく分けると、以下の5つのポイントに集約されます。
- 資格:リラクゼーションは民間、マッサージは国家資格あり
- 養成学校:リラクゼーションは民間スクール中心、マッサージは国公認の専門学校
- 目的:リラクゼーションは「癒やし」、マッサージは「症状改善」
- 健康保険:リラクゼーションは適用外、マッサージは条件次第で適用可
- 施術内容:リラクゼーションは多種多様、マッサージは手技療法が中心
リラクゼーションは「くつろぎたい」「気分転換したい」「ストレスを解消したい」などのニーズに向いています。
一方、マッサージは「専門的な知識に基づいたケアを受けたい」「明確な症状(痛み・こりなど)を改善したい」ときにおすすめです。
どんな人にはどちらがおすすめ?選ぶポイントを詳しく解説
では具体的に「リラクゼーションサロン」と「マッサージサロン」のどちらを選べばよいか、判断材料となるポイントを見ていきましょう。
1. 症状・目的を明確にする
リラクゼーションは、とにかくリラックスしてストレスを手放したい方に適しています。雰囲気づくりにも力を入れているところが多く、アロマの香りや照明、空間演出で非日常感を味わえるサロンもたくさんあります。
一方、肩こり・腰痛などの不調を本格的に改善したい、あるいは医師からすすめられたリハビリ・ケアを受けたい場合は、国家資格を有するマッサージ師の施術がおすすめです。
2. 健康保険の適用が可能か
もし医師の同意書があれば、保険適用でマッサージを受けられるケースがあります。その場合、施術費用の負担が軽くなるうえに、医療費控除も見込めるため経済的です。
ただし、リラクゼーションサロンには原則として健康保険は効かないので、全額自己負担となります。
3. 施術予算と時間を考慮する
予算と施術時間も、サロン選びで重要なポイントです。
リラクゼーションサロンの料金は幅が広く、10分1,000円程度からお試しできるところもあれば、高級スパで数万円かかるコースもあります。コースの柔軟性も高いので、忙しい合間に短時間だけ立ち寄る人が多いのも特徴です。
マッサージの場合、保険適用できれば1回数百円~1,000円程度で施術が受けられることもあります。ただし、自由診療のマッサージ院では一定の相場(30分数千円~)があり、保険が効かない症状や目的には自費診療となるケースもあります。
4. 具体的に受けたい施術やサロンの雰囲気
ヘッドスパや岩盤浴など、明確に「これを受けたい!」という施術があるなら、リラクゼーションサロンがおすすめです。リラックス目的のサービスが多彩に用意されており、雰囲気や空間演出も重視しているところが多いからです。
一方で、施術者の専門知識や安心感を最優先する場合は、やはり国家資格のあるマッサージ師が在籍するサロンに行くとよいでしょう。
5. セラピストや施術者との相性
最後に相性の問題はとても大切です。同じリラクゼーションサロンやマッサージ院でも、担当するセラピストやマッサージ師によって手技の強弱や会話の進め方などが変わります。
実際に施術を受けてみて、痛みがないか、気持ちよくリラックスできるか、不調は改善しているかなどを総合的に判断し、自分に合う施術者を探してみてください。
まとめ
ここまでリラクゼーションとマッサージの違いを詳しく解説してきました。大きく分けると以下のようなポイントがあります。
- 国家資格の有無:リラクゼーションはなし、マッサージはあり
- 目的:リラクゼーションは「癒やし」、マッサージは「症状改善」
- 健康保険:リラクゼーションは適用外、マッサージは条件によって適用
- 施術の多様性:リラクゼーションはメニューが豊富、マッサージは手技療法中心
- 費用:リラクゼーションは幅が広い、マッサージは保険適用で安価になる場合も
リラックス目的で、さまざまな施術を楽しみながら気分転換したいという方は、リラクゼーションサロンが向いています。
一方、症状改善や医療的アプローチを重視したい方は、あん摩マッサージ指圧師の資格を持つ施術者に相談してみるのがおすすめです。
いずれにしても、大切なのは自分の目的やニーズを明確にした上で選ぶこと。さらに、施術者との相性も含めて、実際に利用してみて合わないようであれば他を試すのも一つの手です。
この記事が、皆様が快適なサロンを見つけ、心身ともに元気を取り戻す一助となれば幸いです。