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ランニング障害とは?

健康増進や体力維持、あるいは気分転換のために、ランニングを日課にしている方も多いのではないでしょうか。手軽に始められるランニングは魅力的な運動ですが、一歩間違えると体に様々なトラブルを引き起こす可能性があります。それが「ランニング障害」です。「最近、走り終わった後に膝が痛む…」「すねの内側がズキズキする…」そんな経験はありませんか?

実は、これらのランニング障害による体の痛みや不調は、日常生活だけでなく、車の運転にも影響を及ぼすことがあります。例えば、足の痛みでアクセルやブレーキのペダル操作がスムーズにできなかったり、痛みをかばうことで運転姿勢が悪くなり集中力が低下したりすることも考えられます。せっかく健康のために始めたランニングで、安全運転に支障が出てしまっては本末転倒です。

この記事では、ランニング障害とは一体どのようなものなのか、代表的な種類やその原因、そして効果的な予防法や対処法、専門家への相談の重要性などについて、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。正しい知識を身につけてランニング障害を防ぎ、健康で安全なカーライフを送りましょう。

「ランニング障害」とは何か?

まず、「ランニング障害」の基本的な定義から理解しておきましょう。

ランニング障害とは、ランニングという繰り返しの動作によって、主に下半身の骨、関節、筋肉、腱(けん)などに起こるスポーツ障害の総称です。多くの場合、一度の大きな力で発生する「外傷(ケガ)」とは異なり、「オーバーユース(使いすぎ)」、つまり同じ部位に繰り返し小さな負荷がかかり続けることで、徐々に炎症や微細な損傷が生じて発症します。

特定の部位に負担が集中し、その回復が追いつかない状態が続くと、痛みや機能障害といった症状が現れてきます。ランニング障害は、走り始めたばかりの初心者から、経験豊富なベテランランナーまで、レベルに関わらず誰にでも起こりうるものです。

代表的なランニング障害の種類と症状

ランニングによって起こりやすい代表的な障害には、以下のようなものがあります。ご自身の症状と照らし合わせてみてください。

1. ランナー膝(腸脛靭帯炎:ちょうけいじんたいえん)

  • 症状:膝の外側にズキズキとした痛みが生じます。特に、ランニング中やランニング後、下り坂を走る時、階段を下りる時などに痛みが強くなる傾向があります。初期はランニング後半に痛みが出ますが、悪化するとランニング開始時から痛んだり、安静時にも痛んだりするようになります。
  • 原因:太ももの外側にある長い靭帯である「腸脛靭帯」が、膝の曲げ伸ばしの際に、太ももの骨の外側の出っ張り(大腿骨外側上顆:だいたいこつがいそくじょうか)とこすれ合うことで炎症が起こります。O脚の人や、硬い路面を走る人に起こりやすいと言われています。

2. シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎:けいこつかろうせいこつまくえん)

  • 症状:すねの内側(脛骨という太い骨の下から1/3あたり)に、ズキズキとした鈍い痛みが生じます。走ったりジャンプしたりすると痛みが強くなり、ひどくなると歩くだけでも痛むようになります。押すと痛む場所(圧痛点)が、すねの骨に沿って比較的広範囲に現れるのが特徴です。
  • 原因:すねの骨(脛骨)にくっついているヒラメ筋や後脛骨筋といった筋肉が、ランニングによる繰り返しの衝撃で骨の表面を覆う「骨膜」を強く引っ張り続けることで、骨膜に炎症が起こります。急に練習量を増やした初心者や、硬い路面でのトレーニング、クッション性の悪いシューズの使用などが誘因となります。

3. アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎

  • 症状:かかとの少し上にある太い腱である「アキレス腱」そのものや、その周囲の組織に炎症が起こり、痛み、腫れ、熱感などが現れます。朝起きた時の一歩目や、運動開始時に特に痛みが強く、しばらく動いているうちに少し和らぐものの、運動を続けると再び痛みが強くなることが多いです。悪化すると、安静時にも痛んだり、アキレス腱が硬く太くなったりします。
  • 原因:ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)の使いすぎや柔軟性不足、不適切なシューズ、硬い路面でのランニング、急な坂道トレーニングなどにより、アキレス腱に繰り返しの牽引力や衝撃がかかることで炎症が起こります。

4. 足底筋膜炎(そくていきんまくえん)

  • 症状:足の裏(特にかかとや土踏まず、指の付け根あたり)に、ズキンとしたり、ジンジンしたりする痛みが生じます。特に、朝起きて最初の一歩を踏み出す時や、長時間座っていて動き出す時に強い痛みを感じるのが特徴的です。走っている時や、体重がかかった時に痛みが悪化します。
  • 原因:足の裏にある、かかとから足指の付け根まで扇状に広がっている強靭な腱組織「足底筋膜」に、ランニングによる繰り返しの着地衝撃や、足裏のアーチへの過度な負担がかかり、炎症や微細な断裂が起こります。扁平足やハイアーチ(甲高)の人、ふくらはぎの筋肉が硬い人、長時間の立ち仕事をする人などにも起こりやすいです。

5. 疲労骨折

  • 症状:ランニングなどの繰り返しの負荷によって、骨に微細なひびが入る骨折です。すねの骨(脛骨)、足の甲の骨(中足骨:ちゅうそくこつ)、太ももの骨(大腿骨)、骨盤などに起こりやすいです。初期は運動中に特定の部位が痛む程度ですが、進行すると安静時にもズキズキとした持続的な痛みが出たり、腫れや押すと非常に痛む場所(限局性圧痛)が現れたりします。
  • 原因:同じ部位の骨に、一度では骨折に至らない程度の小さな力が繰り返し加わることで、骨がその負荷に耐えきれなくなり、徐々に損傷が蓄積して発生します。急激なトレーニング量の増加、硬い路面での長時間のランニング、栄養不足(特にカルシウムやビタミンD)、女性の場合は月経不順などもリスク因子となります。

6. 膝蓋腱炎(しつがいけんえん)(ジャンパー膝)

  • 症状:膝のお皿(膝蓋骨)のすぐ下にある「膝蓋腱」という腱に炎症が起こり、痛みが生じます。ジャンプや着地動作、ランニング、階段の上り下りなどで痛みが強くなります。押すと痛む場所もはっきりしています。
  • 原因:ジャンプ動作の繰り返しや、ランニングによる膝の屈伸運動の繰り返しによって、膝蓋腱に過度な牽引力がかかり続けることで炎症が起こります。成長期のスポーツ選手にも多く見られます。

7. 鵞足炎(がそくえん)

  • 症状:膝の内側で、お皿のやや下(すねの骨の上部内側あたり)にある「鵞足」と呼ばれる、太ももの内側の3つの筋肉(縫工筋、薄筋、半腱様筋)の腱が付着する部分に炎症が起こり、痛みが生じます。膝の曲げ伸ばしや、膝を内側にひねる動作で痛みが強くなることがあります。
  • 原因:ランニングや自転車、水泳(特に平泳ぎのキック)などで、膝の曲げ伸ばしや内側にひねる動作が繰り返されることによって、鵞足部で腱と骨、あるいは腱同士がこすれて炎症が起こります。X脚の人や、膝が内側に入りやすいフォームの人(ニーイン・トゥーアウト)に起こりやすいと言われています。

8. 中足骨頭痛(ちゅうそくこっとうつう)

  • 症状:足の指の付け根部分(特に第2指や第3指の付け根あたり)の足裏側に、ズキズキとしたり、ジンジンしたりする痛みが生じます。ランニング時の着地や蹴り出しの際に痛みが強くなることが多いです。タコやウオノメができることもあります。
  • 原因:ランニング時の繰り返しの着地衝撃、底の薄いシューズやサイズの合わないシューズの使用、足裏の横アーチの低下(開張足)、外反母趾などが原因で、特定の指の付け根に過度な圧力がかかることで起こります。

9. タナ障害(滑膜ヒダ障害:かつまくひだしょうがい)

  • 症状:膝のお皿(膝蓋骨)の内側やや下方に、運動中に引っかかり感や「パキッ」「コキッ」といった音(クリック音)、そして痛みが生じます。特に膝の曲げ伸ばしを繰り返すと症状が出やすいです。
  • 原因:膝関節の中には、胎生期(お母さんのお腹の中にいる時)の名残である「滑膜ヒダ(タナ)」という膜状の組織が、日本人では約半数の人にあると言われています。このタナが、スポーツなどによる膝の曲げ伸ばしの繰り返しで、太ももの骨(大腿骨)と膝のお皿(膝蓋骨)の間に挟まれたり、こすれたりして炎症を起こすことで痛みが生じます。

これらのランニング障害は、一つだけ起こることもあれば、複数が同時に起こることもあります。

なぜランニング障害は起こるのか?主な原因

ランニング障害は、様々な要因が複雑に絡み合って発生します。主な原因を理解しておくことは、予防策を考える上で非常に重要です。

1. オーバーユース(使いすぎ)

これがランニング障害の最大の原因と言っても過言ではありません。

  • 急な走行距離や頻度、強度の増加:体がまだ適応できていないのに、急に走る距離を伸ばしたり、走る回数を増やしたり、スピードを上げたりすると、特定の部位に過度な負荷がかかり、障害のリスクが高まります。
  • 十分な休息を取らない:トレーニングとトレーニングの間に適切な休養日を設けず、疲労が蓄積した状態で走り続けると、体の回復が追いつかず、障害が発生しやすくなります。

2. 不適切なトレーニング

  • ウォーミングアップ不足、クールダウン不足
    • ウォーミングアップ:運動前に筋肉や関節を十分に温めず、柔軟性を高めないまま走り始めると、筋肉や腱が硬い状態で負荷がかかり、損傷しやすくなります。
    • クールダウン:運動後に使った筋肉をほぐし、疲労物質の排出を促すストレッチなどを行わないと、筋肉の硬直や疲労の蓄積が進み、次回のトレーニングに影響が出たり、障害のリスクが高まったりします。
  • 体力レベルに合わない無理なトレーニング計画: 自分の現在の体力や走力に見合わない、過度に厳しいトレーニング目標を設定したり、周りの人と比較して無理をしたりすると、体に大きな負担がかかります。

3. ランニングフォームの問題

効率が悪く、体に負担のかかるランニングフォームも、障害の原因となります。

  • オーバーストライド:一歩の歩幅が広すぎると、着地時にブレーキがかかりやすく、膝や股関節、すねなどへの衝撃が大きくなります。
  • 接地時の衝撃が大きい走り方:かかとから強く着地したり、ドタドタと音を立てて走ったりすると、衝撃がダイレクトに体に伝わります。
  • 体幹の不安定さ、左右のアンバランス:体幹(胴体部分)が不安定だと、走っている時に体が左右にぶれたり、脚の動きが非効率になったりして、特定の部位に負担が集中しやすくなります。また、左右の筋力や柔軟性に差があると、片方の脚にばかり負担がかかることもあります。

4. 身体的要因

ランナー自身の体の状態も、障害の発生に大きく関わってきます。

  • 筋力不足・筋力アンバランス: 特に、体を支え、衝撃を吸収するために重要な体幹の筋肉(腹筋、背筋、お尻周りの筋肉など)、太ももの筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングス)、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)などの筋力が不足していたり、左右や前後の筋力バランスが悪かったりすると、特定の関節や筋肉に過度な負担がかかりやすくなります。
  • 柔軟性不足: 股関節、膝関節、足関節といった主要な関節や、太ももやふくらはぎの筋肉の柔軟性が低いと、体の動きが硬くなり、衝撃をうまく吸収できなかったり、スムーズな動きができずに無理な力がかかったりします。
  • アライメント不良: O脚、X脚、扁平足、ハイアーチ(甲高)といった、脚の骨の並び(アライメント)に元々問題があると、ランニング時に特定の部位にストレスが集中しやすくなります。
  • 過去の怪我の影響: 以前に捻挫や肉離れ、骨折などをしたことがある部位は、治癒しても組織が完全に元通りになっていなかったり、筋力や柔軟性が低下していたりして、再発しやすい傾向があります。
  • 体重増加: 体重が増えると、その分だけランニング時の着地衝撃が増し、関節や筋肉への負担も大きくなります。

5. 環境的要因

走る環境も、ランニング障害の発生に影響します。

  • 不適切なランニングシューズ: クッション性が悪かったり、自分の足の形やサイズに合っていなかったり、あるいは長期間使用して靴底が摩耗してしまったシューズは、衝撃吸収能力が低下し、足や膝、腰への負担を増大させます。
  • 硬い路面: アスファルトやコンクリートといった硬い路面での長時間のランニングは、柔らかい路面に比べて着地時の衝撃が大きく、体に負担がかかりやすいです。
  • 不整地、坂道: 砂利道や山道のような足元が不安定な場所や、上り下りの多いコースは、普段使わない筋肉を使ったり、バランスを取るために体に余計な力が入ったりして、特定の部位に負担がかかりやすくなります。
  • 気候: 夏の暑い時期には、脱水症状や熱中症のリスクが高まり、集中力やパフォーマンスの低下から怪我に繋がることがあります。また、冬の寒い時期には、筋肉が硬直しやすく、ウォーミングアップが不十分だと肉離れなどを起こしやすくなります。

これらの要因が一つ、あるいは複数絡み合って、ランニング障害が引き起こされるのです。

ランニング障害を予防するためにできること

ランニング障害は、適切な知識を持ち、日頃から予防策を講じることで、その多くを防ぐことができます。

1. 適切なトレーニング計画

  • 急に距離や時間を増やさず、徐々に負荷を上げていく: 一般的には、1週間の総走行距離の増加は、前の週の10%以内にとどめるのが安全と言われています(10%ルール)。頻度やスピードについても同様に、急激な変化は避けましょう。
  • 週に1~2日は休養日を設ける: 体には回復する時間が必要です。毎日走るのではなく、計画的に休養日を取り入れ、筋肉や関節を休ませましょう。
  • 体調が悪い時は無理しない: 睡眠不足や疲労感、風邪気味など、体調が万全でない時は、思い切ってランニングを休む勇気も大切です。

2. ウォーミングアップとクールダウンの徹底

  • ウォーミングアップ(準備運動): 走り始める前に、必ず5~10分程度のウォーミングアップを行いましょう。軽いジョギングやウォーキングで体を温め、その後、肩回し、腕振り、股関節回し、膝の屈伸、足首回しといった動的ストレッチ(関節を動かしながら筋肉を温め、柔軟性を高めるストレッチ)を行うのが効果的です。
  • クールダウン(整理運動): 走り終わった後も、急に動きを止めるのではなく、5~10分程度の軽いジョギングやウォーキングで徐々に心拍数を落ち着かせ、その後、使った筋肉(特に太もも、ふくらはぎ、お尻、アキレス腱、足裏など)を中心に、静的ストレッチ(ゆっくりと筋肉を伸ばし、20~30秒程度キープするストレッチ)を念入りに行いましょう。これにより、筋肉の硬直を防ぎ、疲労回復を促します。

3. 正しいランニングフォームの習得

  • 専門家(ランニングコーチや、ランニング障害に詳しい整骨院の先生など)に一度フォームを見てもらい、アドバイスを受けるのも良い方法です。
  • 意識するポイントの例
    • 頭のてっぺんから糸で吊られているようなイメージで、背筋を伸ばし、体幹を安定させる。
    • 肩の力を抜き、リラックスする。
    • 目線は少し前方の地面を見る。
    • 腕は肘を90度くらいに曲げ、体の横でリズミカルに前後に振る(左右にぶれないように)。
    • 足は、体の真下に近い位置で、足裏全体(またはミッドフット)で優しく着地するイメージ。かかとから強く着地したり、つま先だけで蹴り出したりするのは避けましょう。
    • ピッチ(1分間の歩数)を少し多めにする(1分間に170~180歩程度が目安)と、オーバーストライドを防ぎ、着地衝撃を和らげる効果があると言われています。

4. 筋力トレーニングとストレッチ

ランニングに必要な筋力をつけ、柔軟性を高めることは、障害予防に不可欠です。

  • 筋力トレーニング
    • 体幹トレーニング:プランク、サイドプランク、バードドッグなどで、腹筋、背筋、お尻周りのインナーマッスルを鍛え、ランニング中の姿勢を安定させます。
    • お尻の筋肉(殿筋群)のトレーニング:スクワット、ランジ、ヒップリフトなどで、推進力を生み出し、膝や腰への負担を軽減する殿筋群を強化します。
    • 太ももの筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングス)のトレーニング:レッグエクステンション、レッグカールなどで、膝関節を支える筋肉をバランス良く鍛えます。
    • ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)のトレーニング:カーフレイズ(かかと上げ)などで、蹴り出しの力を高め、アキレス腱への負担を軽減します。
  • ストレッチ: ランニングで特に硬くなりやすい、股関節周り、太ももの前側・裏側・内側・外側、ふくらはぎ、アキレス腱、足裏などを、お風呂上がりやクールダウン時に念入りにストレッチし、柔軟性を保ちましょう。

5. 適切なランニングシューズ選び

  • 自分の足の形(幅が広いか狭いか、甲が高いか低いか、土踏まずのアーチのタイプなど)や、走り方(接地時の足首の倒れ込み具合:プロネーションのタイプなど)、走る目的(ジョギングかレースかなど)、走行距離などを考慮して、最適なシューズを選びましょう。
  • クッション性、安定性、フィット感、軽さなどを総合的に判断します。
  • できれば、ランニングシューズ専門店のスタッフに相談し、実際に試し履きをしてから購入するのがおすすめです。
  • シューズには寿命があります。一般的に、走行距離が500km~800km程度になったら、見た目に問題がなくてもクッション性が低下している可能性があるため、買い替えを検討しましょう。

6. 走る場所の選択

  • できるだけ、土や芝生、陸上競技場のウレタン製トラックなど、足への衝撃が少ない柔らかい路面を選ぶようにしましょう。
  • やむを得ずアスファルトなどの硬い路面で走る場合は、クッション性の高いシューズを選んだり、走行距離を短めにしたりするなどの工夫が必要です。

7. 体重管理

  • 体重が増加すると、その分だけランニング時の着地衝撃が増し、関節への負担も大きくなります。バランスの取れた食事と適度な運動で、適正体重を維持するように心がけましょう。

8. 栄養と休養

  • 栄養:筋肉や骨、腱などの組織を作るために、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどをバランス良く摂取することが大切です。特に、運動後はタンパク質と糖質を早めに補給することで、筋肉の修復を促し、疲労回復を早めることができます。
  • 休養:質の高い睡眠を十分にとることは、体の回復と成長に不可欠です。また、前述の通り、計画的に休養日を設け、体を休ませることも重要です。

9. 自分の体の声を聞く

  • これが最も大切なことかもしれません。ランニング中に痛みや違和感を感じたら、決して無理をせず、ペースを落としたり、ランニングを中断したりする勇気を持ちましょう。「これくらい大丈夫だろう」という油断が、大きな障害に繋がることがあります。体の小さなサインを見逃さず、早期に対処することが、ランニング障害を予防し、長く楽しむための秘訣です。

これらの予防策を日頃から意識して実践することで、ランニング障害のリスクを大幅に減らすことができます。

ランニング障害が起きてしまったら?初期対応と治療法

予防策を講じていても、残念ながらランニング障害が発生してしまうこともあります。その場合は、できるだけ早く適切な対応をすることが、早期回復への鍵となります。

初期対応(RICE処置:ライスしょち)

ランニング中やランニング後に痛みや腫れが出た場合は、まず応急処置として「RICE処置」を行いましょう。これは、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字を取ったものです。

  • Rest(安静):無理にランニングを続けず、運動を中止し、患部をできるだけ動かさないように安静にします。
  • Ice(冷却):炎症や腫れを抑えるために、氷をビニール袋に入れ少量の水を加えた氷のうや、アイスパック、保冷剤などをタオルで包み、患部に15~20分程度当てて冷やします。感覚がなくなってきたら一度外し、少し時間を置いてから再度冷やす、というサイクルを繰り返しても良いでしょう。
  • Compression(圧迫):弾性包帯やテーピングなどで患部を軽く圧迫し、内出血や腫れが広がるのを抑えます。ただし、強く締め付けすぎると血行が悪くなるため注意が必要です。
  • Elevation(挙上):患部を心臓より高い位置に保つことで、腫れを軽減します。足の場合は、クッションなどの上に足を乗せて寝ると良いでしょう。

RICE処置は、あくまで応急処置であり、これだけで治るわけではありません。

医療機関(整形外科など)の受診

以下のような場合は、必ず整形外科などの医療機関を受診し、医師の正確な診断を受けてください。

  • 痛みが非常に強い、または我慢できない場合
  • RICE処置をしても、数日経っても痛みが改善しない、または悪化する場合
  • 腫れや熱感がひどい、またはなかなか引かない場合
  • 関節がグラグラするような不安定感がある場合
  • 体重をかけると激痛が走る、または歩けない場合
  • しびれや感覚異常がある場合
  • 原因がよくわからないが、とにかく痛みが続く場合

医師は、問診、視診、触診に加え、必要に応じてレントゲン検査、MRI検査、超音波検査などの画像検査を行い、骨や軟骨、靭帯、腱、筋肉などの状態を詳しく調べ、診断を確定します。

その診断に基づいて、以下のような治療が行われます。

  • 薬物療法:痛み止め(内服薬、坐薬)、湿布、塗り薬、筋弛緩薬など。
  • 注射療法:痛みが強い場合に、局所麻酔薬やステロイド剤などを注射して炎症や痛みを抑える(ヒアルロン酸注射、神経ブロック注射など)。
  • 物理療法:温熱療法、電気治療(低周波、干渉波、高周波など)、超音波治療、レーザー治療、牽引療法などで、痛みの緩和、血行促進、組織修復の促進などを図ります。
  • 装具療法:サポーター、インソール(足底板)、ギプス、シーネなどで患部を保護・固定します。
  • 手術:保存的治療(手術以外の治療)で改善が見られない重度の靭帯損傷や半月板損傷、疲労骨折などで、手術が必要となることもあります。
  • リハビリテーション指示:理学療法士や作業療法士に対し、運動療法(ストレッチ、筋力トレーニング、バランストレーニングなど)や日常生活指導などのリハビリテーション計画を指示します。

整骨院・接骨院での施術

整骨院や接骨院(柔道整復師が施術を行う場所)でも、ランニング障害に対するケアを受けることができます。ただし、必ず最初に医療機関(整形外科など)を受診し、医師の診断と指示(同意)のもとで施術を受けることが原則です。特に、骨折の疑いがある場合や、痛みが非常に強い場合は、自己判断で整骨院だけにかかるのは避けましょう。

医師との連携のもと、整骨院・接骨院では主に以下のようなアプローチでランニング障害の改善を目指します。

  • 手技療法:マッサージ、ストレッチ、関節モビライゼーション(関節の動きを良くする手技)、筋膜リリース(筋肉を包む膜の癒着を剥がす手技)、骨盤矯正、姿勢矯正など、施術者の手による様々な技術を用いて、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進し、関節の可動域を改善し、体のバランスを整え、痛みを軽減します。
  • 物理療法:電気治療器(低周波、干渉波、ハイボルテージ、マイクロカレント、EMSなど)、超音波治療器、温熱療法機器、冷却療法機器などを用いて、痛みの緩和、炎症の抑制、組織の修復促進、筋力強化のサポートなどを行います。
  • 運動療法・リハビリテーション指導:症状の回復段階に合わせて、自宅でできる効果的なストレッチやエクササイズ、体幹トレーニング、バランストレーニング、そして正しいランニングフォームの指導などを行い、再発予防とパフォーマンス向上をサポートします。
  • テーピング療法:伸縮性テープ(キネシオロジーテープなど)や非伸縮性テープ(ホワイトテープなど)を用いて、患部を保護・サポートしたり、筋肉の動きを助けたり、痛みを軽減したりします。

整骨院・接骨院のメリットとしては、手技療法を中心としたきめ細やかなアプローチや、日常生活のアドバイス、セルフケア指導などが受けられる点、そして比較的通いやすい点などが挙げられます。

ランニング障害の治療期間と注意点

  • 治療期間: ランニング障害の種類や重症度、個人の年齢や体力、回復力、そして治療への取り組み方などによって、治療にかかる期間は大きく異なります。軽いものであれば数週間で改善することもありますが、シンスプリントやアキレス腱炎などは数ヶ月、疲労骨折の場合はさらに長い期間が必要となることもあります。
  • 焦らず、専門家の指示に従い、根気強く治療とリハビリに取り組むことが大切です。
  • 痛みが軽減しても、自己判断で急にランニングを再開しないようにしましょう。必ず医師やセラピストの許可を得て、ウォーキングや軽いジョギングから始め、徐々に距離や強度を上げていくなど、段階的な復帰を心がけてください。無理をすると、再発のリスクが高まります。
  • 再発予防のために、なぜその障害が起こったのか、根本的な原因(フォームの問題、筋力不足、柔軟性不足、不適切なシューズ、トレーニング計画の無理など)を見直し、改善していくことが非常に重要です。

ランニング障害に対する一般的な整骨院のアプローチ(茨木市・高槻市の地域性を考慮して)

(※特定の整骨院名を出す指示がないため、ここでは一般的な整骨院のアプローチとして記述し、茨木市・高槻市という地域性は文脈に含めます)

大阪府の茨木市や高槻市といった地域には、ランニング愛好家も多く、ランニング障害の治療やケアに力を入れている整骨院も少なくありません。そのような整骨院では、一般的に以下のようなアプローチでランナーのサポートを行っています。

  • ランニング障害に特化した専門知識と豊富な施術経験: 様々なランニング障害のメカニズムや治療法、予防法に関する専門知識を持ち、多くのランナーの施術経験があるスタッフが対応します。
  • 詳細なカウンセリングと動作分析による根本原因の特定: 単に痛む場所だけでなく、ランニングフォーム、体の使い方、筋力バランス、柔軟性、シューズ、トレーニング内容などを詳細に聞き取り、分析することで、なぜその障害が起こったのかという根本的な原因を突き止めます。
  • 手技療法、物理療法、運動療法を組み合わせたオーダーメイドの施術: 一人ひとりの症状や原因、目標に合わせて、マッサージやストレッチ、関節調整といった手技療法、最新の電気治療器や超音波治療器などを用いた物理療法、そして再発予防とパフォーマンス向上のための運動療法を効果的に組み合わせた、オーダーメイドの施術プランを提供します。
  • 正しいランニングフォーム指導やシューズ選びのアドバイス: 痛みの改善だけでなく、再発させないために、体に負担の少ない効率的なランニングフォームの指導や、個々の足に合ったランニングシューズの選び方についてのアドバイスも行います。
  • 再発予防のためのセルフケア指導とトレーニングプランの提案: 自宅でできる効果的なストレッチやエクササイズ、トレーニング計画の見直しなど、患者さん自身が積極的に取り組めるセルフケア方法を具体的に指導し、長期的なサポートを行います。
  • 地域ランナーのサポート: 地域のランニングイベントへの協力や、ランニングクリニックの開催など、地域のランナーコミュニティとの繋がりを大切にし、ランニング文化の発展に貢献している整骨院もあります。

もしあなたが茨木市や高槻市、またその近隣にお住まいで、ランニングによる体の痛みや不調にお悩みでしたら、ランニング障害に詳しい整骨院に一度相談してみることをお勧めします。

まとめ

今回は、「ランニング障害とは?」というテーマでお届けしました。

  • ランニング障害は、ランニングという繰り返しの動作によって起こるオーバーユースが主な原因であり、ランナー膝、シンスプリント、アキレス腱炎、足底筋膜炎、疲労骨折など、様々な種類があります。
  • 予防のためには、適切なトレーニング計画、ウォーミングアップ・クールダウンの徹底、正しいランニングフォームの習得、筋力・柔軟性の向上、適切なシューズ選び、十分な栄養と休養、そして何よりも自分の体の声を聞くことが重要です。
  • ランニング障害が起きてしまった場合は、無理せず休息し、RICE処置などの初期対応を行い、痛みが続くようであれば早期に専門家(整形外科、ランニング障害に詳しい整骨院など)に相談しましょう。
  • 治療は、医師の診断に基づき、薬物療法、物理療法、運動療法(リハビリ)、手技療法などが組み合わせて行われます。焦らず、根気強く治療とリハビリに取り組むことが、確実な回復と再発予防への道です。

ランニングは、手軽に始められ、心身に多くのメリットをもたらしてくれる素晴らしい運動です。しかし、その一方で、体のケアを怠ると様々な障害を引き起こすリスクも伴います。

正しい知識を持ち、ご自身の体を大切にしながらランニングに取り組むことで、怪我の心配なく、長く、そして楽しく走り続けることができるでしょう。そして、健康な体でいることは、毎日の安全運転にも繋がります。

体のケアをしっかり行い、ランニングも、そして安全で快適なカーライフも、思う存分楽しんでいきましょう。

この記事を監修
整骨院SAPIENSブログ

大阪府茨木市、阪急京都線「総持寺駅」から徒歩2分の場所にある【整骨院SAPIENS】が運営するブログです。
当院には、国家資格である「柔道整復師」の資格を持つ経験豊富なスタッフが在籍しブログ記事を監修しています。
来院される皆様の「つらい」を根本から改善し、健康的な生活を送れるよう全力でサポート させていただいております。

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