めまいとは？【整骨院SAPIENS監修│茨木市/総持寺・高槻市】

めまいとは
めまいの種類
回転性めまい: 特徴と原因
引用文献

めまいとは

めまいという症状は、日常生活で比較的よく経験されるものであり、その感覚は多岐にわたります。広辞苑によれば、めまいは「目が回ること、目がくらむこと。げんうん」と定義されています ¹。日本の古書においては、「眼の前のものが揺れ動いて、あたかも鴨居に懸けた物がゆらゆらとして定まらないと言った感じ」が「眩」とされていました ²。医学的には、めまいは安静にしている時あるいは運動中に、自分自身の体と周囲の空間との相互関係・位置関係が乱れていると感じ、不快感を伴ったときに生じる症状と定義されています ¹。これは、自分の位置や運動を誤って感じる症状と言い換えることができます ²。
「めまい」という言葉は厳密な医学用語ではなく、気が遠くなる、ふらつき、平衡障害、ぼうっとする感覚、回転性めまいなど、関連する様々な感覚を表現するためによく使われます ⁴。このように、めまいの感じ方には個人差があり、「目が回る」「フラフラする」「フワフワする」「立ちくらみ」など、実に多様な表現が用いられます ³。健康な人でも、地震があったかと周囲に尋ねるような、一瞬の平衡感覚のずれを経験することがあります ¹。
このように、めまいの定義は日常的な表現から医学的な説明まで幅広く、その体験は主観的で多様です。歴史的な記述からも、平衡感覚の乱れという感覚が古くから認識されていたことがわかります。また、「めまい」が単一の厳密な医学用語ではないという事実は、この症状が複雑であり、様々な感覚を含むことを示唆しています ⁴。この多様性こそが、めまいの原因特定を困難にしている要因の一つであり、患者がどのような感覚を覚えているかを詳細に把握することが診断の第一歩となります。

めまいの種類

めまいは、その感じ方によって大きくいくつかの種類に分類されます。主なものとしては、回転性めまい、浮動性めまい、立ちくらみなどが挙げられます ¹.

回転性めまい: 特徴と原因

回転性めまいは、自分自身や周囲の環境が実際には動いていないにもかかわらず、ぐるぐると回っているように感じる状態を指します ⁵。このタイプのめまいの原因の多くは、平衡感覚を司る内耳の病気に関連しています ¹。
回転性めまいの主な原因疾患としては、まず良性発作性頭位めまい症（BPPV）が挙げられます。これは、特定の頭の位置の変化、特に寝返りをうつ、首を傾けるといった動作によって誘発される、短時間の回転性めまいです ²。BPPVは、内耳にある耳石器から剥がれた炭酸カルシウムの小さな粒（耳石）が、本来とは異なる場所である三半規管に入り込むことで発生すると考えられています ²。高齢者に多く見られ ⁵、めまいの持続時間は通常1分以内であり、安静にしていると自然に治まります ¹¹。吐き気や嘔吐を伴うことがありますが、一般的に難聴や耳鳴りは伴いません ¹²。
次に、メニエール病も回転性めまいの代表的な原因です。これは、激しい回転性めまい発作が繰り返し起こり、多くの場合、難聴、耳鳴り（特に低音）、耳閉感（耳が詰まった感じ）を伴います ²。メニエール病の原因は、内耳の内リンパ液が異常に増加する内リンパ水腫と考えられていますが、その正確な発生機序はまだ解明されていません ¹¹。ストレスや疲労が発作の誘因となることがあります ⁵。めまいの持続時間は数十分から数時間と比較的長く ¹¹、発作を繰り返すうちに聴力が徐々に悪化していく可能性があります ⁵。
前庭神経炎も、突然の激しい回転性めまいを引き起こす疾患です。吐き気や嘔吐を伴うことが多いですが、難聴や耳鳴りは通常ありません ⁵。原因は、ウイルス感染などによる内耳の前庭神経の炎症と考えられています ⁵。めまいは数日から数週間続くことがあります ⁸。
その他、内耳炎や慢性中耳炎も回転性めまいを引き起こす可能性があります。内耳の炎症は、耳鳴りや難聴とともに、ぐるぐると目が回るようなめまいや吐き気、嘔吐を引き起こすことがあります ¹⁰。慢性中耳炎が進行し、炎症が内耳に及んだ場合にも同様のめまいが起こり、さらに顔面神経麻痺を伴うこともあります ¹⁹。突発性難聴も、突然の難聴とともに回転性めまいを伴うことがあります ⁵。この場合、めまいの発作は一度きりで、繰り返すことはほとんどありません ¹⁹。原因としては、ウイルス感染や内耳の血流障害が考えられています ¹⁹。
まれではありますが、脳の病気（脳梗塞、脳出血、脳腫瘍など）も回転性めまいの原因となることがあります ⁸。脳梗塞や脳出血の場合、意識障害、ろれつが回らない、運動障害などを伴うことがあり ¹、脳腫瘍では、頭痛、吐き気・嘔吐、視力低下などを伴うことがあります ⁸。
回転性めまいは内耳の異常に強く関連していますが、めまいの他に手足のしびれや麻痺、言葉が話せない、激しい頭痛といった神経系の症状が伴う場合には、脳に原因がある可能性を考慮する必要があります ¹。

浮動性めまい: 特徴と原因
浮動性めまいは、体がフワフワと浮いているような感じや、ユラユラと揺れているような感覚を伴うめまいです ⁵。このタイプのめまいの原因は多岐にわたります。
回転性めまいを伴わない浮動性めまいの原因として、脳の病気が考えられます。脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、椎骨脳底動脈循環不全などが挙げられます ⁸。特に脳梗塞や脳出血では、手足のしびれ、ろれつが回らない、麻痺、強い頭痛などを伴う場合があります ¹。椎骨脳底動脈循環不全は、脳に血液を送る椎骨動脈の血流が悪くなることで起こり、首を急に動かすなどの動作で誘発されることが多いです ¹。
自律神経の乱れも浮動性めまいの一般的な原因です。ストレスにより交感神経が過度に興奮し、その機能が低下することで脳の血流が悪くなり、めまいが生じる可能性があります ¹。不安、疲労、不規則な生活習慣なども自律神経のバランスを崩し、めまいを引き起こすことがあります ⁵。
低血圧も脳への血流不足を引き起こし、浮動性めまいの原因となります ⁸。貧血も同様に、血液の酸素不足によりめまいを引き起こすことがあります ⁷。特定の薬の副作用も浮動性めまいの原因となることがあり、精神安定剤や降圧剤などが知られています ⁴⁷。
その他、ホルモンバランスの変化（特に更年期障害） ⁵、感覚器官の加齢変化 ⁶、新型コロナウイルス感染症の後遺症 ⁴⁷なども浮動性めまいを引き起こす可能性があります。
浮動性めまいは、回転性めまいに比べて原因が多岐にわたり、内耳だけでなく脳や全身の状態が関与している可能性があります。そのため、診断にはより包括的なアプローチが必要です。
立ちくらみ: 特徴と原因
立ちくらみは、立ち上がるときなどに急に頭がくらくらしたり、目の前が暗くなったりする状態を指します ¹。これは、一時的に脳への血流が低下したり、酸素が不足したりすることによる脳循環不全の症状です ³³。
立ちくらみの主な原因としては、起立性低血圧が挙げられます。これは、座っていたり寝ている状態から急に立ち上がったときに、重力の影響で血液が下半身に移動し、脳への血流が一時的に不足することで血圧が急激に下がる状態です ¹。低血圧症も、脳への血流が慢性的に不足することで立ちくらみを引き起こすことがあります ¹。貧血も、血液中のヘモグロビンが減少し、全身への酸素供給が不足することで、立ちくらみを引き起こす一般的な原因です ¹。
脱水も、血液量の減少を通じて脳への血流を低下させ、立ちくらみの原因となります ³⁶。心臓の病気、特に心臓のポンプ機能の低下や不整脈なども、脳への血流を減少させ、立ちくらみを引き起こすことがあります ⁸。自律神経失調症も、血圧や心拍の調整がうまくいかなくなることで立ちくらみを引き起こすことがあります ¹。血糖値が急激に低下する低血糖も、脳へのエネルギー供給が不足し、立ちくらみを引き起こすことがあります ⁴⁰。
その他、特定の薬の副作用 ⁸、長時間の臥床 ⁶⁷、血管迷走神経反射 ⁸、更年期障害 ⁸なども立ちくらみの原因となることがあります。
立ちくらみは、主に脳への一時的な血流低下に関連しており、平衡感覚を司る内耳の異常が主な原因であるめまいとは区別されます。

めまいを引き起こす可能性のある様々な原因
めまいの原因は非常に多岐にわたります。ここでは、主な原因をさらに詳しく見ていきましょう。

(a) 耳の病気
耳の病気はめまいの最も一般的な原因の一つです。

メニエール病：激しい回転性めまい、難聴、耳鳴り、耳閉感を繰り返す病気です ¹¹。
良性発作性頭位めまい症 ：頭の位置変化で誘発される短時間の回転性めまいです ¹⁴。
その他の耳の病気

前庭神経炎：突然の激しい回転性めまいが持続する病気で、吐き気を伴いますが難聴はありません ³⁸。
内耳炎 ：内耳の炎症で、めまい、難聴、耳鳴りを引き起こします ¹⁰。
慢性中耳炎 ：炎症が内耳に及ぶと、めまいを引き起こすことがあります ¹⁰。
突発性難聴 ：突然の難聴とともに、めまいを伴うことがあります ²⁴。
外リンパ瘻：内耳の膜が破れ、内耳液が漏れることでめまいや難聴を引き起こします ²⁴。
聴神経腫瘍 ：聴神経にできる良性の腫瘍で、徐々に進行する難聴、耳鳴り、めまいを引き起こすことがあります ¹⁰。
耳帯状疱疹（ラムゼイ-ハント症候群）：顔面神経麻痺、耳の痛み、水疱とともにめまいや難聴が現れることがあります ⁴⁹。
加齢性前庭機能低下症 ：加齢に伴う平衡機能の低下により、ふらつきやめまいが生じることがあります ⁸⁰。
外耳・中耳の異常 ：耳垢の詰まりや中耳炎なども、まれにめまいを引き起こすことがあります ⁸⁰。

これらの耳の病気は、内耳の平衡感覚を司る器官である三半規管や耳石器の機能障害を引き起こし、脳に誤った情報が伝わることでめまいが生じます ⁸²。

(b) 脳の病気
脳の病気もめまいの重要な原因となり得ます。

脳梗塞 ：脳の血管が詰まり、血流が途絶えることで、めまい、歩行困難、吐き気、麻痺、言語障害などを引き起こすことがあります ³⁹。
脳出血 ：脳内の血管が破れ、出血することで、激しい頭痛、意識障害、めまい、麻痺などを引き起こすことがあります ⁴²。
椎骨脳底動脈循環不全：脳に血液を送る椎骨動脈や脳底動脈の血流が悪くなることで、めまい、頭痛、吐き気、視覚異常などを引き起こすことがあります ²⁴。
その他の脳の病気

脳腫瘍 ：脳にできた腫瘍が平衡感覚に関わる部位を圧迫することで、めまい、頭痛、吐き気、視力低下などを引き起こすことがあります ⁴³。
一過性脳虚血障害 ：脳への血流が一時的に不足することで、めまいなどの症状が短時間現れることがあります ¹。
多発性硬化症：脳や脊髄の神経線維を覆う髄鞘が損傷される病気で、めまいやふらつきを引き起こすことがあります ⁹。
小脳の病気：小脳は平衡感覚や運動の調節に関わっており、出血や梗塞などが起こると激しいめまいを引き起こすことがあります ²⁹。

脳が原因のめまいは、耳鳴りや難聴を伴わないことが多いですが、他の神経症状を伴うことが特徴です ²⁴。

(c) その他の病気
めまいは、耳や脳の病気以外にも、様々な全身の病気の症状として現れることがあります。

高血圧 ：血圧が急激に変動したり、高血圧が進行したりすることで、めまいや立ちくらみが現れることがあります ⁵⁵。
低血圧 ：血圧が低い状態が続くと、脳への血流が不足し、めまいやふらつきを引き起こすことがあります ⁶²。
貧血：血液中のヘモグロビンが減少し、全身への酸素供給が不足することで、めまいや立ちくらみを引き起こすことがあります ⁶⁹。
自律神経失調症：ストレスや不規則な生活などにより自律神経のバランスが乱れると、めまい、ふらつき、立ちくらみなどを引き起こすことがあります ⁵⁶。
その他の病気

起立性調節障害 ：立ち上がるときに血圧が急激に下がり、めまいやふらつきが生じることがあります ⁴⁶。
心臓弁膜症：心臓の弁に異常があると、脳への血流が不足し、めまいを引き起こすことがあります ⁸。
不整脈：心臓のリズムが乱れることで、脳への血流が一時的に減少し、めまいを感じることがあります ⁸。
糖尿病：高血糖が血管を損傷し、脳への血流が悪くなることで、めまいを引き起こすことがあります ¹⁷。
甲状腺機能低下症：甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、めまいやふらつきなどの症状が現れることがあります ⁴⁹。
腎臓病：腎機能が低下すると、貧血などを介してめまいを引き起こすことがあります ⁷¹。
アレルギー：アレルギー反応が内耳に影響を与え、めまいを引き起こすことがあります ²⁴。
脱水症 ：体内の水分が不足すると、血液量が減少し、めまいや立ちくらみを引き起こすことがあります ⁴⁶。
妊娠：ホルモンバランスの変化や循環血液量の増加などにより、めまいを感じやすくなることがあります ⁴⁹。
熱中症：高温環境下で体温調節機能が破綻すると、めまいを引き起こすことがあります ⁶⁸。
感染症：ウイルス感染などが原因で、めまいを引き起こすことがあります ⁷。
自己免疫疾患 ：自己免疫疾患が内耳や脳に影響を与え、めまいを引き起こすことがあります ⁸¹。
頸椎の変形 ：頸椎の変形が神経や血管を圧迫し、めまい（頸性めまい）を引き起こすことがあります ²²。
顎関節症：顎関節の異常が周囲の筋肉や神経に影響を与え、めまいを引き起こすことがあります ⁸⁷。

(d) ストレスや疲労
精神的なストレスや肉体的な疲労は、自律神経のバランスを乱し、めまいの原因となることがあります ⁵。過労や睡眠不足は、メニエール病や突発性難聴の誘因となることもあります ⁵。ストレスが原因で起こるめまいは「心因性めまい」と呼ばれ、回転性めまい、浮動性めまい、立ちくらみのような症状を呈することがあります ²⁴。
(e) 特定の薬の副作用
特定の薬の副作用として、めまいが現れることがあります。降圧剤、抗てんかん薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗パーキンソン病薬、睡眠薬などがめまいを引き起こす可能性があり ⁸、市販の風邪薬でもめまいが起こることがあります ⁷²。降圧剤が効きすぎて血圧が急激に下がる場合にも、めまいが生じることがあります ¹⁹。

めまいに伴う可能性のある様々な症状
めまいは単独で起こることもありますが、様々な症状を伴うことがあります。

吐き気と嘔吐 ：特に回転性めまいに伴いやすい症状です ¹⁷。
耳鳴り：キーンという音やブーンという音など、様々な種類の耳鳴りが、特に耳の病気に伴って現れることがあります ¹⁸。
難聴：耳の聞こえが悪くなる症状で、メニエール病や突発性難聴などでよく見られます ³¹。
頭痛：脳の病気や片頭痛などに伴って、頭痛が起こることがあります ⁹⁹。
ふらつき ：足元が不安定で、まっすぐに歩けないような感覚です ³⁶。
その他の症状：耳閉感、眼前暗黒感、意識消失、歩行困難、協調運動障害、首の痛み、手足のしびれ、ろれつが回らない、麻痺、物が二重に見える、顔面神経麻痺、動悸、息切れ、冷や汗、手の震え、舌のもつれ、嚥下障害、光や音に対する過敏、味覚異常、倦怠感、不眠、食欲不振、便秘・下痢、気分の落ち込み、不安感、集中力低下、耳の痛み、目の疲れ、鼻詰まり、嗅覚異常、発熱、胸痛、振戦、脱力、下肢の色調変化、光視症、構音障害、嚥下困難、運動失調、精神症状、味覚喪失、発汗、嗄声、腹痛、膀胱症状、記憶力低下、四肢の冷え・痛み、悪心、発語困難、理解困難、耳の圧迫感、耳が聞こえにくい、ものを飲み込むのが難しい、腕や脚を動かすのが難しい、歩行時の協調性の欠如、持続的な耳鳴り、二重視、顔面、腕、または足の片側の麻痺や弱さ、耳の閉塞感、水の流れるような耳鳴り、耳がつまった感じ、胸の痛みまたは不快感、血便または黒いタール状の便、しびれてチクチクする感じ、筋肉のけいれん、頻脈、悪心、耳の違和感、眼のかすみ、下のもつれ、精神疾患、婦人科疾患、内分泌障害など、多岐にわたる症状がめまいに伴う可能性があります。

これらの随伴症状は、めまいの原因を特定する上で非常に重要な手がかりとなります。例えば、耳鳴りや難聴を伴う場合は耳の病気が疑われやすく、手足の麻痺やろれつが回らないなどの神経症状がある場合は脳の病気が疑われます。

めまいの原因を特定するための診断方法
めまいの原因を特定するためには、様々な診断方法が用いられます。

問診：まず、患者さんからめまいの種類、感覚、頻度、持続時間、誘因、既往歴、服用中の薬、随伴症状、生活習慣などについて詳しく話を聞きます ⁷。これにより、めまいの緊急度を判断し、原因を絞り込むことができます ⁷。
神経学的検査：眼振（眼球の不随意な動き）の有無や性状、眼球運動、瞳孔の反応、顔の感覚や運動、聴力、平衡機能などを調べます ⁴⁹。HINTS法などを用いて、中枢性のめまいか末梢性のめまいかを鑑別することもあります ⁴⁹。
平衡機能検査 ：体の揺れを測定する重心動揺検査、閉眼での足踏みによる体の動きを観察する足踏み検査、眼球の動きを観察する眼振検査（Dix-Hallpike法、温度眼振検査、回転椅子検査、vHITなど）などを行います ⁹⁴。これにより、平衡感覚を司る前庭系の機能異常を評価します。
画像検査 ：脳出血、脳梗塞、脳腫瘍などの脳の病気を疑う場合や、他の検査で原因が特定できない場合には、頭部CT検査や頭部MRI検査、MRAなどを行います ⁸⁷。内耳の状態を詳しく調べるために、内耳造影MRI検査を行うこともあります ¹¹¹。
その他の検査：貧血や電解質異常などを調べる血液検査、心臓の病気を調べる心電図検査、低血糖を調べる血糖値測定など、必要に応じて他の検査を行うこともあります ⁴⁹。

これらの診断方法を組み合わせることで、めまいの原因を特定し、適切な治療につなげることができます。

めまいの治療法
めまいの治療法は、その原因となっている病気によって異なります。

原因疾患ごとの治療法

耳の病気に対する治療：良性発作性頭位めまい症には耳石置換法（エプリー法など）やめまい体操 ¹²、メニエール病には薬物療法（利尿薬、血流改善薬など）や生活習慣の改善 ¹¹、前庭神経炎には安静や薬物療法（ステロイドなど） ³⁸、突発性難聴には早期のステロイド治療などが行われます ³⁴。
脳の病気に対する治療：脳梗塞や脳出血に対しては、急性期には血栓を溶かす治療や血圧管理などが行われ、慢性期にはリハビリテーションが行われます ⁴¹。椎骨脳底動脈循環不全に対しては、薬物療法や生活習慣の改善が行われます ¹¹⁶。
その他の病気に対する治療：高血圧には生活習慣の改善や降圧薬 ¹¹⁹、低血圧には生活習慣の改善や昇圧剤 ¹²¹、貧血には鉄剤の補充や食事療法 ¹²⁴、自律神経失調症には生活習慣の改善や薬物療法、カウンセリングなどが行われます ⁷⁹。
ストレスや疲労に対する対処：十分な睡眠、休息、ストレス解消、適度な運動、規則正しい生活、バランスの取れた食事が重要です ⁹¹。
薬の副作用への対応：原因となっている薬を特定し、医師や薬剤師に相談して薬の変更や減量を検討します ⁷²。
症状を和らげるための一般的な対処法 ：めまいが起きた際には、まず安静にし、楽な姿勢をとることが大切です ¹²⁸。目を閉じたり、頭を動かさないようにしたりするのも有効です ⁹²。吐き気がある場合は、冷たいタオルで冷やしたり、市販の酔い止め薬を服用したりするのも良いでしょう ²⁸。水分補給も重要です ¹²⁸。

日常生活でめまいを予防するための対策と対処法
日常生活でめまいを予防するためには、規則正しい生活を送ることが基本です ¹²⁹。十分な睡眠を確保し、バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を習慣にしましょう ¹²⁶。ストレスを溜めないように、趣味の時間を持つなどリラックスできる時間を作ることも大切です ⁹⁰。急な体位変換は避けるようにし、特に寝起きや立ち上がり時にはゆっくりと動作するようにしましょう ⁶⁸。禁煙や過度の飲酒を控え、カフェインの摂りすぎにも注意しましょう ¹⁰。良性発作性頭位めまい症を経験したことがある場合は、寝返り運動などの予防策を行うと良いでしょう ¹¹。
めまいが起きた際には、まず安全な場所に移動し、安静にすることが重要です ¹²⁴。可能であれば横になり、目を閉じましょう ⁹²。吐き気がある場合は、楽な体勢をとり、必要であれば周囲に助けを求めましょう ¹²⁴。めまいが落ち着いても、すぐに立ち上がったりせずに、ゆっくりと行動するように心がけましょう ⁸³。処方されているめまい止めの薬があれば服用しましょう ¹²⁴。原因が明らかな場合は、その原因に対する対処を行うことも重要です（例：水分補給、血糖値の是正） ¹²⁸。
まとめ
めまいは、目が回る、ふらつく、気が遠くなるなど、様々な感覚を伴うありふれた症状ですが、その原因は多岐にわたります ¹。中には脳卒中や脳腫瘍など、重篤な病気が隠れている場合もあるため注意が必要です ⁷。めまいの種類（回転性、浮動性、立ちくらみ）によって原因が異なることが多く ⁵、吐き気、耳鳴り、難聴、頭痛などの随伴症状は、原因を特定する上で重要な手がかりとなります ¹。
めまいの診断には、問診、神経学的検査、平衡機能検査、画像検査などが行われ ⁴、治療法は原因疾患によって異なります ¹⁰。日常生活での予防と対処も重要です ⁶。症状が続く場合や悪化する場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です ⁶。めまいの専門は耳鼻咽喉科ですが ⁸、脳の病気が疑われる場合は脳神経外科や神経内科 ⁸、心臓の病気が疑われる場合は循環器内科 ⁸、立ちくらみが主な場合は内科や循環器内科 ⁸、精神的な原因が疑われる場合は精神科や心療内科 ²⁸を受診しましょう。高齢者のめまいは原因特定が難しいことも多く ⁴、女性はホルモンバランスの影響でめまいが多い傾向があります ⁶。めまいを「たかがめまい」と軽視せずに ⁸⁹、適切な医療機関を受診し、原因を特定して適切な治療を受けることが重要です ²²。