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【野球】野球肩、肘の痛み…野球選手のための整骨院での施術とケアとは?

野球は、投げる、打つ、走る、捕るといった多様な動作が求められるスポーツですが、特に「投げる」という動作は肩や肘に大きな負担をかけやすく、多くの選手が肩や肘の痛みに悩まされています。放置しておくと選手生命に関わることにもなりかねないこれらの痛みに対し、整骨院ではどのような施術やケアが行われるのでしょうか。この記事では、野球肩や野球肘の原因から、整骨院での具体的なアプローチ、そして選手自身ができる予防とセルフケアまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

はじめに:野球における肩肘の痛みの深刻さと早期ケアの重要性

野球を楽しんでいる皆さんにとって、肩や肘の痛みは非常につらいものです。特にピッチャーやキャッチャーなど、投球機会の多いポジションの選手にとっては、深刻な問題となり得ます。最初は軽い違和感でも、「これくらいなら大丈夫だろう」「練習を休むわけにはいかない」と我慢してしまうケースも少なくありません。しかし、その小さなサインを見過ごしてしまうと、症状が悪化し、慢性的な痛みや可動域の制限につながり、最悪の場合、手術が必要になったり、野球を続けられなくなったりすることもあります。

だからこそ、肩や肘に少しでも異変を感じたら、早期に適切なケアを始めることが非常に重要です。そして、そのケアの選択肢の一つとして、整骨院が大きな役割を果たすことがあります。この記事では、野球選手が抱えやすい肩や肘の痛みに対して、整骨院でどのようなサポートが受けられるのか、そして選手自身が日頃から取り組めるケア方法にはどのようなものがあるのかを詳しくご紹介します。野球を始めたばかりの方や、お子さんが野球をしている保護者の方にも、ぜひ知っておいていただきたい内容です。

野球肩・野球肘とは?初心者にもわかりやすく解説

「野球肩」や「野球肘」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。これらは、野球の投球動作などによって引き起こされる肩や肘の痛みの総称です。具体的にどのような状態なのか、その原因と主な症状を見ていきましょう。

野球肩の原因と症状

野球肩は、投球動作の繰り返しによって肩関節やその周辺の筋肉、腱、靭帯などに炎症や損傷が起こることで発症します。

主な原因:

  • 投球フォームの問題: 体全体をうまく使えず、肩や腕の力だけに頼った無理なフォームで投げ続けると、肩関節に過度な負担がかかります。例えば、手投げになっている、肩の開きが早すぎる、肘が下がりすぎている、といったフォームは肩を痛める原因となりやすいです。
  • オーバーユース(投げすぎ): 特に成長期の選手や、練習量が多い選手に見られます。肩関節や周囲の組織が回復する時間がないまま投球を繰り返すことで、疲労が蓄積し、炎症や損傷を引き起こします。
  • 筋肉の柔軟性不足: 肩関節周りの筋肉や、肩甲骨周りの筋肉、さらには股関節や体幹の柔軟性が低いと、投球時にスムーズな動きができず、肩に余計なストレスがかかります。
  • インナーマッスルの弱さ: 肩関節を安定させる役割を持つインナーマッスル(回旋筋腱板など)が弱いと、投球時の遠心力や衝撃をうまくコントロールできず、肩を痛めやすくなります。
  • 不適切なウォーミングアップやクールダウン: 練習や試合の前後で適切なケアを行わないことも、肩の故障リスクを高めます。

代表的な症状:

  • 投球時(特に加速期からフォロースルーにかけて)の肩の痛み
  • 肩を上げたり回したりする際の痛みや可動域の制限
  • 肩の奥の方が痛む、ズキズキするような痛み
  • 肩の不安定感、脱力感
  • 安静にしていても痛む場合もある

野球肩には、腱板炎、インピンジメント症候群、関節唇損傷、リトルリーガーズショルダー(上腕骨骨端線離開)など、様々な病態が含まれます。

野球肘の原因と症状

野球肘も同様に、投球動作の繰り返しによって肘関節やその周囲の組織に炎症や損傷が起こるものです。特に成長期の選手は、骨がまだ成長途中であるため、肘への負担が骨の成長軟骨部分に影響を与えやすいという特徴があります。

主な原因:

  • 投球フォームの問題: 肘が下がる、手首をこねるような投げ方、体幹が使えていないなど、肘に負担のかかるフォームは野球肘の大きな原因です。
  • オーバーユース(投げすぎ): 肩と同様に、投げすぎは肘にも大きなダメージを与えます。特に変化球を多投する投手や、練習試合などで連投が多い場合にリスクが高まります。
  • 成長期の骨端線への影響: 小中学生など成長期の選手では、肘の骨の端にある成長軟骨(骨端線)が、繰り返される牽引力や圧迫力によって剥離したり、損傷したりすることがあります。これは「リトルリーグ肘」とも呼ばれ、代表的なものに内側上顆障害や離断性骨軟骨炎などがあります。
  • 筋肉の柔軟性不足や筋力不足: 前腕や手首の筋肉の柔軟性が低い、あるいは筋力が不足していると、投球時に肘関節にかかる負荷を吸収しきれず、痛みの原因となります。

代表的な症状:

  • 投球時の肘の内側、外側、または後方の痛み
  • 肘の曲げ伸ばしがしにくい、完全に伸びない、または曲がらない
  • 肘を押すと痛む場所がある(圧痛)
  • 肘の内側や小指側にしびれが出ることもある(神経の圧迫)
  • ボールを握る力が弱くなる

野球肘には、内側上顆炎(ないそくじょうかえん)、外側上顆炎(がいそくじょうかえん)、離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)、肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)など、様々な種類があります。

なぜ野球で肩肘を痛めやすいのか?(投球動作の特殊性)

野球の投球動作は、全身の力を連動させてボールに伝え、高速で腕を振り抜く非常に複雑でダイナミックな運動です。この一連の動作の中で、肩関節や肘関節には、捻り、伸展、加速、減速といった大きなストレスが瞬間的に、そして繰り返し加わります。

例えば、プロ野球選手の投球では、肩関節は約180度/秒、肘関節は約5000度/秒という驚異的な角速度で動いていると言われています。このような高速かつ反復的な動きは、肩や肘の特定の部位に負担を集中させやすく、それが炎症や損傷のリスクを高めるのです。特に、不適切なフォームや体のコンディションが整っていない状態で投球を続けると、そのリスクはさらに増大します。

整骨院でできること:野球肩・野球肘へのアプローチ

肩や肘に痛みを感じたとき、どこで診てもらえばよいか迷うかもしれません。整骨院は、こうした野球による肩肘の痛みに対して、薬や手術に頼らない「保存療法」を中心としたアプローチでサポートしてくれます。

整骨院とは?

整骨院(接骨院とも呼ばれます)は、柔道整復師という国家資格を持った専門家が、骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷(肉離れなど)といったケガに対して施術を行う施設です。柔道整復師は、人間の身体の構造や機能、ケガの発生メカニズムについて専門的な知識と技術を持っています。

整体院と混同されることもありますが、整体は民間資格や無資格でも開業できるのに対し、整骨院の柔道整復師は国家資格であり、一部のケガ(骨折、脱臼の応急処置を除く継続施術は医師の同意が必要な場合があります)に対して健康保険の適用が可能な場合もあります。ただし、野球肩や野球肘のような慢性的な痛みやコンディショニング目的の場合は、自費診療となることが多いです。

カウンセリングと検査の重要性

整骨院では、まず丁寧なカウンセリングと検査から始まります。これが適切な施術を行うための第一歩となります。

  • カウンセリング(問診):
    • いつから、どこが、どのように痛むのか(具体的な痛みの状況)
    • 野球歴、ポジション、投球頻度、練習量
    • 過去のケガの経験
    • 日常生活での困りごと
    • どのような状態になりたいか(目標設定) などを詳しく聞き取ります。これにより、痛みの原因や背景を把握し、一人ひとりに合った施術計画を立てるための情報を得ます。
  • 検査:
    • 視診・触診: 患部の腫れ、熱感、変形、圧痛点(押すと痛む場所)などを目で見て、手で触って確認します。
    • 徒手検査: 関節の可動域(どのくらい動くか)、筋力テスト、整形外科的テスト(特定の動作で痛みが出るかなどを調べるテスト)などを行い、痛みの原因となっている組織や損傷の程度を評価します。
    • エコー検査(超音波画像診断装置): 整骨院によっては、エコーを使って筋肉、腱、靭帯などの軟部組織の状態をリアルタイムで観察することができます。レントゲンでは写らないこれらの組織の微細な損傷や炎症を把握するのに役立ち、より的確な判断と施術につながります。

これらのカウンセリングと検査の結果を総合的に判断し、現在の状態や考えられる原因、そして今後の施術方針についてわかりやすく説明してくれます。

主な施術内容

整骨院で行われる野球肩・野球肘に対する主な施術内容には、以下のようなものがあります。これらを組み合わせて、個々の症状や状態に合わせたオーダーメイドの施術が行われます。

  • 手技療法:
    • マッサージ: 緊張して硬くなった筋肉を揉みほぐし、血行を促進し、痛みを和らげます。特に肩甲骨周りや胸の筋肉、前腕の筋肉などが硬くなっていることが多いです。
    • ストレッチ: 筋肉や関節の柔軟性を高め、可動域を改善します。他動的にストレッチを行うことで、自分では伸ばしきれない部分まで効果的にアプローチできます。
    • 関節モビライゼーション: 動きが悪くなっている関節(特に肩関節、肩甲胸郭関節、肘関節、脊柱など)に対して、細やかな動きをつけて可動性を回復させます。これにより、投球動作がスムーズになり、特定の部位への負担を軽減します。
    • 筋膜リリース: 筋肉を包む筋膜の癒着や歪みを整えることで、筋肉の動きを滑らかにし、痛みを改善します。
  • 物理療法: 専用の医療機器を用いて、痛みの緩和や組織の修復を促します。
    • 電気治療(低周波、高周波、干渉波など): 電気刺激によって筋肉の緊張を和らげたり、痛みを伝える神経の興奮を抑えたり、血行を促進したりします。
    • 超音波治療: 超音波の振動エネルギーを体の深部にまで到達させ、温熱効果や非温熱効果(ミクロマッサージ効果)によって、炎症を抑え、組織の修復を早めます。
    • 温熱療法(ホットパック、マイクロ波など): 患部を温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減します。ただし、急性期の炎症が強い場合は適しません。
    • 冷却療法(アイシング、クライオセラピーなど): 炎症が強い場合や、練習後のクールダウンとして患部を冷やし、腫れや痛みを抑えます。
  • テーピング療法:
    • 伸縮性のあるテープや固定用のテープを使い、関節の動きをサポートしたり、制限したりします。
    • 筋肉の働きを助けたり、負担を軽減したりする目的でも用いられます。
    • 痛みの軽減、関節の安定化、再発予防などに効果が期待できます。キネシオテープやホワイトテープなど、目的に応じて使い分けられます。
  • 運動療法・リハビリテーション:
    • 痛みが軽減してきた段階で、再発予防とパフォーマンス向上のために行われます。
    • インナーマッスルトレーニング: 肩関節や肩甲骨を安定させるインナーマッスル(ローテーターカフなど)を強化するトレーニングを行います。チューブや軽いダンベルを使ったエクササイズが中心です。
    • 体幹トレーニング: 投球動作の土台となる体幹(腹筋、背筋、お尻周りの筋肉など)を強化し、安定したフォーム作りをサポートします。
    • 肩甲骨周りのエクササイズ: 肩甲骨の正しい動き(可動性)と安定性を高めるためのエクササイズを行います。スムーズな肩甲骨の動きは、肩への負担を減らすために非常に重要です。
    • バランストレーニング: 投球時のバランス能力を高めるトレーニングです。
    • 投球フォーム指導: 整骨院の先生が野球のフォームに詳しい場合、個々の選手の問題点を指摘し、より負担の少ない効率的なフォームへの改善アドバイスを行うこともあります。ただし、これは専門的な知識と経験が求められるため、全ての整骨院で行っているわけではありません。

施術の頻度や期間の目安

施術の頻度や期間は、症状の程度、選手の年齢、競技レベル、生活習慣などによって大きく異なります。

急性期で痛みが強い場合は、週に2~3回程度の集中的な施術が必要になることもあります。症状が落ち着いてくれば、週に1回、2週間に1回と徐々に頻度を減らしていくのが一般的です。

期間についても、数週間で改善が見られるケースもあれば、数ヶ月以上のリハビリが必要な場合もあります。大切なのは、自己判断で中断せず、専門家のアドバイスに従って根気強く続けることです。また、整骨院での施術だけでなく、後述するセルフケアを並行して行うことが、早期回復と再発予防には不可欠です。

整骨院を選ぶ際のポイント

野球肩・野球肘の施術を受ける整骨院を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。より効果的なケアを受けるために、以下の点を参考にしてみてください。

  • 野球選手の施術経験が豊富な整骨院か:野球特有のケガや動作のメカニズムを深く理解している先生がいると、より専門的なアプローチが期待できます。ホームページや口コミで、スポーツ障害、特に野球関連の施術実績があるか確認してみましょう。
  • スポーツ障害に詳しい先生がいるか:単にマッサージをするだけでなく、なぜその痛みが起きているのか、どうすれば再発を防げるのかといった視点で、身体機能の評価やリハビリ指導まで行える先生が理想的です。
  • カウンセリングを丁寧に行ってくれるか:あなたの話をじっくりと聞き、症状や不安な点について親身に相談に乗ってくれる整骨院を選びましょう。一方的な説明だけでなく、あなたの目標や希望を尊重してくれるかどうかも大切です。
  • 施術内容や料金体系が明確か:どのような施術を、どのくらいの期間、どのくらいの費用で行うのか、事前にしっかりと説明してくれる整骨院が安心です。疑問点があれば、遠慮なく質問しましょう。保険診療と自費診療の違いについても明確に説明してくれるか確認が必要です。
  • 自宅からの通いやすさ:特に痛みが強い時期や、リハビリを継続する際には、通院のしやすさも重要なポイントになります。自宅や学校、練習場所からのアクセスが良いか、診療時間なども考慮して選びましょう。
  • 清潔感があり、リラックスできる環境か:施術を受ける場所の清潔さや雰囲気も、安心してケアに集中するためには大切です。

可能であれば、複数の整骨院の情報を集めたり、実際に問い合わせてみたりして、自分に合った整骨院を見つけることをお勧めします。

自分でできる!野球肩・野球肘の予防とセルフケア

整骨院での施術と並行して、あるいは痛みがまだ出ていない段階から、選手自身が日頃から取り組める予防とセルフケアは非常に重要です。これらを習慣化することで、ケガのリスクを大幅に減らすことができます。

ウォーミングアップの重要性

練習や試合前には、必ず十分なウォーミングアップを行いましょう。筋肉や関節を温め、柔軟性を高めることで、投球動作への準備を整え、ケガの予防につながります。

  • 肩周り、肘周りのストレッチ:
    • 肩のストレッチ例:
      1. 腕を胸の前で交差させ、反対側の手で肘を抱え、ゆっくりと胸に引き寄せる。(三角筋後部、肩甲骨周りのストレッチ)
      2. 片腕を頭の後ろに回し、肘を曲げ、反対側の手で肘を掴み、ゆっくりと下に引く。(上腕三頭筋、広背筋のストレッチ)
      3. 壁に手をつき、体をゆっくりと壁から離すようにひねる。(胸の筋肉のストレッチ)
    • 肘・前腕のストレッチ例:
      1. 片腕を前に伸ばし、手のひらを上に向け、反対側の手で指先を手前にゆっくりと引く。(前腕屈筋群のストレッチ)
      2. 片腕を前に伸ばし、手のひらを下に向け、反対側の手で手の甲を下にゆっくりと押す。(前腕伸筋群のストレッチ) これらのストレッチは、反動をつけずにゆっくりと行い、20~30秒程度保持するのがポイントです。
  • 体幹のウォーミングアップ:体幹の筋肉を目覚めさせることで、投球時に体全体を連動させやすくなります。軽いジョギングや、体幹を意識したダイナミックストレッチ(例:アームサークル、レッグスイング、体側伸ばしなど)を取り入れましょう。

クールダウンの徹底

練習や試合後には、必ずクールダウンを行いましょう。使った筋肉をケアし、疲労回復を促すことで、次回の練習や試合に良いコンディションで臨むことができます。

  • 投球後のアイシング:投球によって熱を持った肩や肘を冷やすことで、炎症を抑え、痛みの発生を防ぎます。アイスバッグや氷嚢を使い、15~20分程度、肩の前方、側方、後方、そして肘の内側や外側など、負担のかかった部分をアイシングしましょう。直接肌に当てず、タオルなどで包んで行うのが基本です。
  • ストレッチ:ウォーミングアップで行ったようなストレッチを、より時間をかけて丁寧に行います。特に投球で酷使した肩周り、肘周り、前腕の筋肉を入念に伸ばしましょう。

正しい投球フォームの習得

負担の少ない効率的な投球フォームを身につけることは、野球肩・野球肘の予防において最も重要な要素の一つです。

  • 指導者の重要性: 信頼できる指導者(監督、コーチ、経験豊富な先輩など)から、正しいフォームの指導を受けることが大切です。動画撮影などを活用して自分のフォームを客観的にチェックし、問題点を改善していく努力をしましょう。
  • 基本的なチェックポイント(初心者向け):
    • 下半身から上半身へと、力の伝達がスムーズに行われているか(手投げになっていないか)
    • 踏み出す足の着地が安定しているか
    • 肩の開きが早すぎたり遅すぎたりしていないか
    • 肘が肩のラインよりも極端に下がっていないか
    • リリースポイントが安定しているか
    • フォロースルーで無理な力がかかっていないか

投球数制限の遵守(特に成長期)

特に成長期の選手は、骨や関節がまだ未発達なため、投げすぎによる負担がケガに直結しやすいです。所属するチームや連盟が定める投球数制限や連投制限のルールを必ず守りましょう。指導者や保護者も、選手の将来を考えて、これらのルールを遵守させることが重要です。

筋力トレーニング

投球動作に耐えうる体を作るためには、適切な筋力トレーニングも欠かせません。

  • インナーマッスルの強化:肩関節の安定性を高めるために、チューブや軽いダンベルを使って、肩の回旋運動(内旋・外旋)などのトレーニングを行います。地味なトレーニングですが、継続することで大きな効果があります。
  • 体幹の強化:プランク、サイドプランク、バードドッグなどの体幹トレーニングで、投球時の体の軸を安定させ、手投げを防ぎます。
  • 肩甲骨周りの筋肉の強化:肩甲骨の正しい動きを引き出すために、ローイング(ボートを漕ぐような動き)やプッシュアッププラス(腕立て伏せの最後に肩甲骨をさらに押し出す動き)などのエクササイズが有効です。

これらのトレーニングは、正しいフォームで行うことが重要です。専門家の指導を受けながら行うのが理想的です。

十分な休息と栄養

筋肉や関節の修復には、十分な休息と栄養が必要です。

  • 睡眠: 質の高い睡眠を十分にとることで、成長ホルモンの分泌が促され、体の回復が進みます。
  • 栄養: バランスの取れた食事を心がけ、特にタンパク質(筋肉の材料)、カルシウム(骨の材料)、ビタミン、ミネラルをしっかり摂取しましょう。

異変を感じたらすぐに専門医へ

肩や肘に少しでも痛みや違和感を感じたら、自己判断せずに、できるだけ早く整形外科などの医療機関を受診しましょう。「これくらいなら大丈夫」と放置したり、無理に練習を続けたりすると、症状が悪化し、治療が長引く可能性があります。早期発見・早期治療が、早期復帰への近道です。

整骨院と整形外科、どちらに行くべき?

肩や肘の痛みを感じたとき、整骨院と整形外科のどちらを受診すべきか迷うことがあるかもしれません。それぞれの役割には違いがあり、症状や状況によって適切な選択肢が異なります。

それぞれの役割の違い

  • 整形外科:整形外科は、医師(整形外科医)が診断と治療を行う医療機関です。
    • 診断: レントゲン、MRI、CTなどの画像検査や血液検査などを行い、痛みの原因を医学的に特定します(例:骨折、靭帯損傷、炎症の程度など)。
    • 治療: 投薬(痛み止め、湿布など)、注射(ヒアルロン酸、ステロイドなど)、ギプスや装具による固定、手術(重度の損傷の場合)、リハビリテーションの指示など、幅広い治療法を提供します。
    • 対象: 急性のケガ(骨折、脱臼など)、原因が特定できない痛み、手術が必要な可能性のある状態、慢性的な痛みで精密検査が必要な場合など。
  • 整骨院:整骨院は、柔道整復師が施術を行う施設です。
    • 診断: 柔道整復師は医師ではないため、医学的な診断行為(病名を断定すること)はできません。しかし、問診や徒手検査、エコー検査(実施している場合)などから、どのような状態であるかを評価し、施術方針を立てます。
    • 施術: 手技療法、物理療法、運動療法、テーピングなどを中心とした保存療法を行います。主に筋肉や関節の機能回復、痛みの緩和、コンディショニングを目的とします。
    • 対象: 捻挫、打撲、挫傷などのケガ(骨折・脱臼の応急処置、医師の同意があればその後の施術も可)、慢性的な筋肉や関節の痛み、スポーツによる体の不調の改善、コンディショニング、リハビリテーションなど。

受診の目安

  • まずは整形外科の受診を検討すべきケース:
    • 転倒や衝突など、明らかな外傷によって急激な痛みや腫れが生じた場合
    • 激しい痛みで動かせない、または変形している場合
    • 安静にしていても痛みが強い、夜も眠れないほどの痛みがある場合
    • しびれや麻痺がある場合
    • 自分で原因が全くわからない、または症状が急速に悪化している場合 このような場合は、まず整形外科を受診し、医師による正確な診断を受けることが重要です。骨折や靭帯の完全断裂など、整骨院では対応できない状態の可能性もあります。
  • 整骨院も選択肢となるケース:
    • 明らかな外傷はないが、練習後に徐々に痛みが出てきた慢性的な痛み
    • 筋肉の張りやこり、関節の動きの悪さを感じる
    • 整形外科で「骨に異常なし」と診断されたが、痛みが続く、またはリハビリが必要と言われた
    • スポーツパフォーマンスの向上のためのコンディショニングやケアを受けたい
    • 予防のためのアドバイスやセルフケア方法を知りたい これらの場合は、整骨院での施術が有効なことがあります。

整形外科と整骨院の連携の重要性

理想的なのは、整形外科と整骨院が連携を取りながら、選手のサポートを行うことです。例えば、整形外科で診断を受け、治療方針の指示のもと、整骨院でリハビリやコンディショニングを行うといった形です。整骨院の中には、近隣の整形外科と連携しているところもあります。

自己判断が難しい場合は、まず整形外科を受診して医師の診断を仰ぎ、その上で整骨院の利用について相談してみるのも良いでしょう。

まとめ:長く野球を楽しむために

野球肩や野球肘は、多くの野球選手が経験する可能性のある痛みですが、決して軽視してはいけません。早期発見と早期治療が、選手生命を守り、長く野球を楽しむための鍵となります。

整骨院は、手技療法や物理療法、運動療法などを通じて、これらの痛みの改善や再発予防をサポートしてくれる心強い存在です。もしあなたが、あるいはあなたのお子さんが肩や肘の痛みに悩んでいるのであれば、一度、野球選手のケアに詳しい整骨院に相談してみてはいかがでしょうか。

そして何よりも大切なのは、日頃からの予防意識とセルフケアです。正しいフォームの習得、適切なウォーミングアップとクールダウン、計画的な投球数管理、そして十分な休息と栄養。これらを地道に続けることが、ケガを防ぎ、最高のパフォーマンスを発揮するための土台となります。

体の声にしっかりと耳を傾け、適切なケアを行いながら、いつまでも野球という素晴らしいスポーツを心から楽しんでください。

この記事を監修
整骨院SAPIENSブログ

大阪府茨木市、阪急京都線「総持寺駅」から徒歩2分の場所にある【整骨院SAPIENS】が運営するブログです。
当院には、国家資格である「柔道整復師」の資格を持つ経験豊富なスタッフが在籍しブログ記事を監修しています。
来院される皆様の「つらい」を根本から改善し、健康的な生活を送れるよう全力でサポート させていただいております。

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