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水泳肩、腰痛…スイマーのための整骨院での施術とケア

水泳は、全身運動でありながら関節への負担が少ないため、健康維持や体力向上、リフレッシュなどを目的に、年齢を問わず多くの方が楽しんでいる素晴らしいスポーツです。ドライバーの皆さんの中にも、週末や仕事帰りにプールで泳ぐことを習慣にしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、そんな体に優しいイメージのある水泳でも、繰り返しの動作や不適切なフォームなどが原因で、肩や腰、膝などに痛みや不調を抱えてしまうことがあります。特に「水泳肩」や「スイマー腰痛」といった言葉があるように、水泳特有の怪我も存在します。そして、これらの体の不調は、単に水泳のパフォーマンスを低下させるだけでなく、日常生活や車の運転にも影響を及ぼす可能性があります。例えば、肩の痛みでハンドル操作がスムーズにいかなかったり、腰痛で長時間の運転姿勢を保つのが辛くなったり、痛みのために運転中の集中力が散漫になったりすることも考えられます。

この記事では、水泳で起こりやすい代表的な怪我の種類やその原因、そして最も重要な「怪我を予防するためにできること」、さらには万が一怪我をしてしまった場合に整骨院で受けられる専門的な施術とケアについて、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。体のケアをしっかりと行い、水泳も車の運転も、もっと快適に、もっと安全に楽しみましょう。

水泳は体に優しい?それでも起こりうるスイマー特有の怪我

水泳が健康に良いとされる理由の一つに、「関節への負担が少ない」という点が挙げられます。水中では浮力が働くため、陸上での運動に比べて体重による関節への衝撃が大幅に軽減されます。そのため、体重が気になる方や、膝や腰に不安を抱える方でも比較的取り組みやすい運動と言えるでしょう。

しかし、だからといって水泳で全く怪我が起こらないわけではありません。

水泳も、特定の泳法における腕や脚の繰り返しの動作、あるいは間違ったフォームでの泳ぎすぎ(オーバーユース)などが原因で、特定の関節や筋肉に過度な負担がかかり、炎症や痛みを引き起こすことがあります。特に、肩関節や腰、そして平泳ぎでは膝関節などに、スイマー特有の怪我や障害が発生しやすい傾向があります。

スイマーに多い代表的な怪我とその症状・原因

水泳選手や水泳愛好家の方々が悩まされやすい、代表的な怪我とその症状、主な原因について見ていきましょう。

1. 水泳肩(スイマーズショルダー)

スイマーにとって最も代表的で、多く見られる肩の障害です。

  • 症状
    • 泳いでいる時(特に腕を回すストローク動作中)や、腕を上げる動作での肩の前方や外側の痛み。
    • 肩を動かすと引っかかるような感じ(インピンジメント感)。
    • 夜間、寝ている時に痛む(夜間痛)。
    • 腕を上げにくい、特定の方向に動かせないといった可動域制限。
  • 原因
    • 肩関節のオーバーユース(使いすぎ):クロール、バタフライ、背泳ぎなど、腕を繰り返し大きく回すストローク動作によって、肩関節やその周りの筋肉、腱、靭帯などに微細な損傷が蓄積し、炎症が起こります。
    • インピンジメント症候群:腕を上げる際に、肩の骨(肩峰:けんぽう)と上腕骨の間に、肩の深層にある筋肉の腱(腱板:けんばん)や、関節の動きを滑らかにする滑液包(かつえきほう)が挟み込まれて炎症を起こし、痛みが生じます。不適切なフォームや肩甲骨の動きの悪さが関与します。
    • 腱板損傷・腱板炎:肩関節を安定させ、動かすために重要な役割を果たす腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋肉の腱の総称)が、繰り返しの負荷によって炎症を起こしたり、部分的に断裂したりします。
    • 肩関節の不安定性、関節唇損傷(かんせつしんそんしょう):肩関節の受け皿(関節窩:かんせつか)の縁を取り巻く軟骨組織である関節唇が、繰り返しの動作や急な負荷で損傷し、肩の不安定感や痛みを引き起こすことがあります。
    • 不適切なストロークフォーム:例えば、クロールで腕を水に入れる際(エントリー)に親指から入水したり、腕を体の中心線より内側に入れすぎたりするフォームは、肩への負担を増大させます。
    • 肩甲骨周りの筋力不足・柔軟性不足:肩甲骨がスムーズに動かないと、肩関節だけで腕を動かそうとしてしまい、肩への負担が増えます。
    • 体幹の不安定さ:体幹が弱いと、腕の力だけで泳ごうとしてしまい、肩に過度なストレスがかかります。

2. 腰痛

水泳肩ほどではありませんが、腰痛もスイマーに見られることのあるトラブルです。

  • 症状
    • 泳いでいる最中や泳いだ後に、腰に痛みや重だるさを感じる。
    • 特定の泳法(特にバタフライや平泳ぎ)で症状が悪化することがある。
    • 腰を反らす動作や、長時間同じ姿勢でいると痛む。
  • 原因
    • バタフライや平泳ぎでの腰の反りすぎ:これらの泳法では、体を波打たせる動作やキック動作で、腰を過度に反らせる(伸展させる)傾向があり、腰椎やその周りの筋肉に大きな負担がかかります。
    • クロールや背泳ぎでの体幹の不安定さ、過度なローリング:体幹の筋力が弱く、体が左右にぶれやすかったり、体をひねるローリング動作が大きすぎたりすると、腰にねじれのストレスがかかり、腰痛の原因となります。
    • キック動作での腰への負担:強いキックを打とうとして、腰を使ってしまうと負担が増します。
    • 腹筋・背筋のアンバランス、体幹の筋力不足:体を支える体幹の筋肉が弱いと、腰椎が不安定になり、腰痛を引き起こしやすくなります。
    • 股関節や胸椎(背中の骨)の柔軟性不足:股関節や胸椎の動きが硬いと、その動きを腰で代償しようとして、腰に過度な負担がかかることがあります。

3. 膝の痛み(平泳ぎ膝:ブレストストローカーズニー)

平泳ぎを専門とするスイマーや、平泳ぎを多く練習する人に特有の膝の障害です。

  • 症状
    • 平泳ぎのキック動作(特に脚を引きつけてから水を蹴り出す時)に、膝の内側に痛みが生じます。
    • 膝の内側を押すと痛む(圧痛)。
    • 進行すると、安静時にも痛んだり、膝に水がたまったりすることもあります。
  • 原因: 平泳ぎ特有の、膝を曲げてから外側に開き、足首を外に向けて水を挟み込むように蹴る「ウィップキック」という動作が、膝の内側の靭帯(特に内側側副靭帯)や半月板、軟骨などに繰り返しストレスをかけることで炎症が起こります。股関節の柔軟性(特に内旋・外旋の動き)が不足していると、膝への負担がさらに増大しやすくなります。

4. 首の痛み

  • 症状
    • 泳いでいる時、特に息継ぎの動作で首に痛みを感じたり、首が回しにくくなったりします。
    • 泳いだ後に首や肩が凝り固まったようになることもあります。
  • 原因
    • クロールや平泳ぎでの不自然な息継ぎ動作:息継ぎの際に、首だけを無理にひねったり、頭を過度に持ち上げたりするフォームは、首の筋肉や関節に大きな負担をかけます。
    • 首の筋肉の使いすぎ:長時間、同じような首の動きを繰り返すことで、特定の筋肉が疲労し、緊張し、痛みが生じます。
    • 肩周りの柔軟性不足:肩甲骨や肩関節の動きが硬いと、息継ぎの際に首だけで代償しようとして負担が増えます。

5. その他

  • 足首の痛み(ドルフィンキックなど):バタフライや背泳ぎのスタート・ターン後などで行うドルフィンキックで、足首を強く底屈(つま先を伸ばす)・背屈(つま先を上げる)させる動作を繰り返すことで、足首の前面やアキレス腱周辺に痛みが出ることがあります。
  • 肩甲骨周りの痛み:肩甲骨の動きが悪かったり、肩甲骨を支える筋肉が疲労したりすることで、肩甲骨の内側や周囲に痛みや張りを感じることがあります。

これらの怪我は、単独で起こることもあれば、複数が関連して起こることもあります。

なぜ水泳で怪我が起こるのか?予防のために知っておきたいこと

水泳による怪我の発生には、様々な要因が関わっています。これらの原因を理解することが、効果的な予防策を講じるための第一歩です。

  • オーバーユース(泳ぎすぎ):これが最も一般的な原因です。
    • 体がまだ適応できていないのに、急に練習量(距離や時間)を増やしたり、練習頻度を上げたり、練習強度(スピードなど)を高めたりすると、特定の関節や筋肉に過度な負荷がかかり、炎症や損傷のリスクが高まります。
  • 不適切なスイムフォーム: 効率が悪く、体に負担のかかる泳ぎ方は、怪我の大きな原因となります。例えば、肩への負担が大きいストローク、腰を反らしすぎるキック、無理な息継ぎ動作などは、水泳肩や腰痛、首の痛みを引き起こしやすくなります。
  • ウォーミングアップ不足・クールダウン不足
    • ウォーミングアップ:プールに入る前に陸上で体を十分に温めず、筋肉や関節が硬い状態で泳ぎ始めると、組織が損傷しやすくなります。
    • クールダウン:泳ぎ終わった後に使った筋肉をほぐし、疲労物質の排出を促すケアを怠ると、筋肉の硬直や疲労の蓄積が進み、次回の練習に影響が出たり、怪我のリスクが高まったりします。
  • 筋力不足・筋力アンバランス: 水泳は全身運動ですが、特に効率よく推進力を生み出し、体を安定させるためには、体幹(腹筋、背筋、お尻周りの筋肉など)、肩甲骨周りの筋肉、肩のインナーマッスル(ローテーターカフ)、股関節周りの筋肉などの筋力が重要です。これらの筋力が不足していたり、左右や前後の筋力バランスが悪かったりすると、特定の部位に負担が集中し、怪我をしやすくなります。
  • 柔軟性不足: 肩関節、肩甲骨、胸椎(背中の骨)、股関節、足首などの関節の可動域が狭かったり、関連する筋肉の柔軟性が低かったりすると、スムーズで効率的な動きができず、無理な力がかかりやすくなり、怪我のリスクが高まります。例えば、肩甲骨の動きが悪いと肩関節だけで腕を回そうとして水泳肩の原因になったり、股関節の柔軟性が低いと平泳ぎ膝の原因になったりします。
  • 疲労の蓄積と不十分なリカバリー: 練習や試合が続いたり、十分な睡眠や栄養が取れていなかったりすると、体に疲労が蓄積します。疲労した状態では、筋肉の反応が鈍くなったり、集中力が低下したり、フォームが崩れたりして、怪我をしやすくなります。適切な休養と栄養補給によるリカバリーが不可欠です。
  • 過去の怪我の影響: 以前に肩や腰、膝などを痛めたことがある場合、その部位が完全に回復していなかったり、関節が不安定なままだったり、周囲の筋力が低下していたりすると、同じ場所を再び怪我する(再発する)リスクが高まります。
  • 心理的要因: 試合でのプレッシャーや、タイムが出ない焦り、あるいは「もっと練習しなければ」という思い込みなどが、無理なトレーニングに繋がり、フォームを崩し、結果として怪我を引き起こすこともあります。

これらの要因を理解し、日頃から意識して対策を講じることが、水泳での怪我を予防する上で非常に重要です。

スイマーのための怪我予防策

水泳での怪我は、適切な知識を持ち、日頃から予防策を講じることで、その多くを防ぐことができます。以下に、具体的な予防策をご紹介します。

1. 正しいスイムフォームの習得

  • これが最も基本的な予防策の一つです。体に負担の少ない、効率的で美しいフォームを身につけることが重要です。
  • できれば、経験豊富なコーチや指導者に定期的にフォームをチェックしてもらい、客観的なアドバイスを受けるのが理想的です。自分の泳ぎをビデオ撮影して確認するのも良い方法です。
  • 意識するポイントの例
    • 体の軸(ストリームライン)を保つ:頭から足先までが一直線になるような、抵抗の少ない姿勢を意識します。
    • 体幹を使った泳ぎ:腕や脚の力だけでなく、体幹(胴体部分)の回転や安定性をうまく利用して推進力を生み出すようにします。
    • 肩甲骨から腕を動かす意識:肩関節だけで腕を回すのではなく、肩甲骨を大きく動かすことで、肩への負担を軽減し、より大きなストロークが可能になります。
    • 負担の少ない息継ぎ:首だけを無理にひねるのではなく、体のローリングと連動させて、スムーズで自然な息継ぎを心がけます。

2. 適切なトレーニング計画

  • 徐々に練習量や強度を上げていく: 急に泳ぐ距離を伸ばしたり、練習頻度を増やしたり、スピードを上げたりするのは避け、体が徐々に適応できるように、段階的に負荷を上げていきましょう。一般的には、1週間の総練習量(距離や時間)の増加は、前の週の10%以内にとどめるのが安全と言われています。
  • 週に数回の休養日を設ける: 体には回復する時間が必要です。毎日泳ぐのではなく、計画的に休養日(アクティブレストを含む)を取り入れ、筋肉や関節を休ませましょう。
  • 体調が悪い時は無理しない: 睡眠不足や疲労感、風邪気味など、体調が万全でない時は、思い切って練習を休む勇気も大切です。

3. 陸上でのトレーニング(ドライランドトレーニング)の重要性

水泳のパフォーマンス向上と怪我の予防には、プールでの練習だけでなく、陸上で行うトレーニング(ドライランドトレーニング)も非常に重要です。

  • 体幹強化: プランク、サイドプランク、バードドッグ、クランチ、バックエクステンションなどで、腹筋、背筋、お尻周りのインナーマッスルを鍛え、水泳中の体の軸を安定させ、効率的な力の伝達を可能にします。
  • 肩甲骨周りの安定性と可動性の向上: チューブを使ったローイング、YTWLエクササイズ、肩甲骨寄せ、腕立て伏せなどで、肩甲骨を正しい位置で安定させ、かつスムーズに動かせるようにします。これにより、水泳肩の予防に繋がります。
  • ローテーターカフ(肩のインナーマッスル)の強化: 肩関節を安定させ、スムーズな回転運動をサポートするローテーターカフ(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)を、チューブや軽いダンベルを使った内外旋運動などで強化します。これも水泳肩予防に非常に重要です。
  • 股関節周りの筋力と柔軟性の向上: スクワット、ランジ、ヒップアブダクション、クラムシェルなどで、キック力や体の安定性に関わる股関節周りの筋肉を鍛え、同時にストレッチで柔軟性を高めます。これは腰痛や平泳ぎ膝の予防にも繋がります。
  • 全身の筋力バランスを整える: 水泳でよく使う筋肉だけでなく、その拮抗筋(反対の働きをする筋肉)や、全身の筋肉をバランス良く鍛えることが、怪我の予防には大切です。

4. ウォーミングアップとクールダウンの徹底

  • ウォーミングアップ(準備運動): プールに入る前には、必ず陸上で5~10分程度のウォーミングアップを行いましょう。軽いジョギングやウォーキングで体を温め、その後、肩回し、腕振り、股関節回し、体側伸ばしといった動的ストレッチで、水泳で使う筋肉や関節を十分に動かせる状態にします。プールに入ってからも、いきなり全力で泳ぎ始めるのではなく、まずは軽いスイムから徐々に強度を上げていくようにしましょう。
  • クールダウン(整理運動): 泳ぎ終わった後も、急に動きを止めるのではなく、5~10分程度の軽いスイムやウォーキングで徐々に心拍数を落ち着かせ、その後、使った筋肉(特に肩周り、背中、腰、股関節周り、太もも、ふくらはぎなど)を中心に、静的ストレッチ(ゆっくりと筋肉を伸ばし、20~30秒程度キープするストレッチ)を念入りに行いましょう。これにより、筋肉の硬直を防ぎ、疲労回復を促します。

5. ストレッチと柔軟運動

  • 特に肩関節、肩甲骨、胸椎(背中の骨)、股関節、ハムストリングス(太ももの裏)、足首などの柔軟性は、スムーズで効率的な泳ぎと怪我の予防に不可欠です。
  • 水泳前後のストレッチだけでなく、お風呂上がりなど体が温まっている時に、日常的にストレッチを行う習慣をつけましょう。

6. 十分な栄養と休養

  • 栄養: バランスの取れた食事を心がけ、筋肉や組織の修復・成長に必要なタンパク質、運動のエネルギー源となる炭水化物(糖質)、そして体の調子を整えるビタミンやミネラルをしっかりと摂取しましょう。
  • 休養: 質の高い睡眠を十分にとることは、体の回復と成長に不可欠です。また、前述の通り、計画的に休養日を設け、体を休ませることも重要です。

7. 自分の体の声を聞く

  • これが最も大切なことの一つです。泳いでいる時や泳いだ後に、肩や腰、膝などに痛みや違和感、強い疲労感などを感じたら、決して無理をせず、勇気を持って練習を休んだり、練習内容を調整したりしましょう。「これくらい大丈夫だろう」「周りに迷惑をかけられない」といった思いから無理を続けると、症状が悪化し、より深刻な怪我に繋がる可能性があります。
  • 自分の体の小さなサインを見逃さず、早期に対処することが、大きな怪我を防ぎ、長く水泳を楽しむための秘訣です。

8. 定期的な体のメンテナンス

  • 特に競技レベルで水泳に取り組んでいる場合や、過去に怪我をしたことがある場合は、定期的に専門家(医師やトレーナー、水泳障害に詳しい整骨院の先生など)に体の状態をチェックしてもらい、必要なアドバイスやケアを受けることも、怪我の予防には有効です。

これらの予防策を日頃から意識し、総合的に実践していくことで、水泳での怪我のリスクを大幅に減らすことができます。

水泳肩や腰痛が起きてしまったら?整骨院での施術とケア

予防策を講じていても、残念ながら水泳肩や腰痛などの怪我が発生してしまうこともあります。その場合は、できるだけ早く適切な対応をすることが、早期回復への鍵となります。

まずは医療機関(整形外科など)の受診を検討

  • 痛みが強い場合、なかなか改善しない場合、日常生活にも支Hornが出ている場合などは、自己判断せずに、まずは整形外科などの医療機関を受診し、医師の正確な診断を受けることが重要です。
  • 医師は、問診、視診、触診に加え、必要に応じてレントゲン検査、MRI検査、超音波検査などの画像検査を行い、損傷の部位や程度を特定し、適切な治療方針を立てます。
  • 治療法としては、安静指示、薬物療法(痛み止め、湿布など)、注射療法、物理療法、装具療法、そしてリハビリテーション指示などがあります。

整骨院でのアプローチ(医師の診断・指示のもと連携して行うことが望ましい)

整骨院や接骨院(柔道整復師が施術を行う場所)でも、水泳による肩や腰の痛み、その他の関節の不調に対するケアを受けることができます。ただし、必ず最初に医療機関(整形外科など)を受診し、医師の診断と指示(同意)のもとで、医療機関と連携を取りながら施術を進めていくことが原則であり、最も安全で効果的な方法です。

医師との連携のもと、整骨院・接骨院では主に以下のようなアプローチでスイマーの怪我の改善を目指します。

  • 詳細なカウンセリングと検査
    • まず、どのような泳法で、どのくらいの頻度・強度で練習しているか、いつから、どのような動作で痛みが出るか、日常生活での困りごと、過去の怪我の経験などを詳しくお伺いします。
    • 次に、実際に体の状態を検査します。姿勢分析(立っている時や泳ぐ時の姿勢の癖など)、肩関節や肩甲骨、腰椎、股関節などの関節可動域検査、関連する筋肉の筋力テストや柔軟性テスト、整形外科的テスト(インピンジメントテストなど)などを行い、痛みの根本原因や、体のどこに問題があるのかを的確に突き止めます。
  • 手技療法
    • マッサージ療法:硬く緊張した筋肉(例えば、水泳肩であれば肩甲骨周りの筋肉、ローテーターカフ、三角筋、上腕二頭筋・三頭筋など。腰痛であれば脊柱起立筋、腰方形筋、殿筋群など)を、指圧、揉捏、軽擦などの手技で深部から丁寧に緩めていきます。これにより、血行が促進され、疲労物質が排出されやすくなり、痛みやこりが和らぎ、筋肉の柔軟性が高まります。
    • ストレッチ(パートナーストレッチ):施術者が患者さんの体を動かしながら、自分一人では伸ばしきれない筋肉まで効果的にストレッチします。特に関節可動域の改善や、深層筋の柔軟性向上に効果的です。
    • 筋膜リリース:筋肉を包んでいる薄い膜である「筋膜」が、繰り返しの動作や炎症によって癒着したり、ねじれたりすると、筋肉の動きが悪くなり、痛みや可動域制限の原因となります。筋膜リリースは、この筋膜の異常を優しい圧やストレッチで解放し、筋肉や関節の滑らかな動きを取り戻す手技です。
    • 関節モビライゼーション・調整:動きが悪くなった肩関節、肩甲胸郭関節(肩甲骨と胸郭の間の関節)、胸椎(背中の骨)、腰椎、骨盤、股関節などに対して、施術者が細かく他動的な動きを加えたり、ソフトな力で関節の位置を調整したりすることで、関節本来の滑らかな動きを取り戻し、関節への負担を軽減します。
  • 物理療法: 手技療法と合わせて、様々な物理療法機器を用いることで、より効果的に痛みを和らげたり、炎症を抑えたり、組織の修復を早めたりします。
    • 電気治療:低周波治療、干渉波治療、高周波治療、ハイボルテージ療法、マイクロカレント療法、EMS(電気的筋刺激)など、様々な種類の電気刺激を用いて、痛みの緩和、炎症の抑制、血行促進、筋弛緩、組織修復促進、筋力強化のサポートなどを行います。
    • 超音波治療:高周波数の音波の振動を利用して、体の深部を温めたり(温熱効果)、微細なマッサージ効果を与えたり(ミクロマッサージ効果)します。これにより、血行促進、組織の柔軟性向上、炎症の鎮静、痛みの緩和、組織修復の促進などが期待できます。
    • 温熱療法・冷却療法:症状や時期(急性期か慢性期かなど)に合わせて、ホットパックや赤外線で温めたり、アイスパックやクライオセラピー(冷却療法専用機器)で冷やしたりします。
  • 運動療法・トレーニング指導: 痛みが軽減し、症状が安定してきたら、再発予防とパフォーマンス向上のために、運動療法やトレーニング指導を行います。
    • 痛みのない範囲での関節可動域訓練:無理のない範囲で、徐々に関節の動かせる範囲を広げていきます。
    • 弱っている筋肉の強化:特に水泳肩であればローテーターカフや肩甲骨安定筋、腰痛であれば体幹のインナーマッスルや殿筋群など、症状の原因となっている弱化した筋肉を、チューブや軽いおもり、自体重などを利用して段階的に強化していきます。
    • 正しい体の使い方、負担の少ないスイムフォームへのアドバイス:施術者の視点から、体に負担のかかりにくい効率的な体の使い方や、スイムフォームの改善点についてアドバイスします(ただし、専門的なスイムコーチングとは異なります)。
    • 自宅でできる効果的なセルフケア(ストレッチ、エクササイズ)の指導:整骨院での施術効果を持続させ、患者さん自身が積極的に体のケアに取り組めるよう、自宅で簡単にできる効果的なストレッチやエクササイズのメニューを提案し、正しいやり方を丁寧に指導します。
  • テーピング療法: 伸縮性テープ(キネシオロジーテープなど)や非伸縮性テープ(ホワイトテープなど)を用いて、炎症を起こしている部位を保護・サポートしたり、筋肉の動きを助けたり、痛みを軽減したり、あるいは正しいフォームを意識しやすくしたりする目的でテーピングを施すことがあります。

整骨院を選ぶ際のポイント(スイマー向け)

水泳による怪我や不調で整骨院を選ぶ際には、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。

  • スポーツ障害、特に水泳の怪我に対する専門知識や施術経験が豊富か: ホームページや院内の掲示、あるいは直接問い合わせるなどして、水泳選手の治療実績や、スタッフが水泳に関する知識を持っているかなどを確認しましょう。
  • スイムフォームやトレーニングに関する知識があるか: 単に痛む場所を施術するだけでなく、なぜその怪我が起こったのか、泳ぎ方やトレーニング内容に問題はなかったかといった視点からもアドバイスをもらえると、根本的な改善や再発予防に繋がります。
  • 手技療法だけでなく、運動療法やセルフケア指導にも力を入れているか: その場しのぎの痛みの緩和だけでなく、長期的な視点で体の機能を改善し、再発しにくい体づくりをサポートしてくれる整骨院を選びましょう。
  • 必要に応じて医療機関との連携をしっかりとってくれるか: 症状によっては、整骨院での対応範囲を超える場合や、医師による精密検査や診断が必要な場合があります。そのような場合に、速やかに提携する医療機関を紹介してくれたり、医師と情報を共有しながら連携して治療を進めてくれたりする整骨院は信頼できます。
  • カウンセリングが丁寧で、こちらの話をよく聞いてくれるか: あなたの悩みや目標、練習状況などをじっくりと聞き、それに対して親身になって相談に乗ってくれる施術者を選びましょう。

茨木市・高槻市でスイマーのケアに強い整骨院の一般的な特徴

(※特定の整骨院名を出す指示がないため、ここでは一般的な整骨院の特徴として記述し、茨木市・高槻市という地域性は文脈に含めます)

大阪府の茨木市や高槻市といった地域には、多くのスイミングクラブや学校があり、水泳に取り組む方も多いことでしょう。そうした地域で、スイマーのケアに力を入れている整骨院には、以下のような特徴が見られることがあります。

  • 水泳経験のあるスタッフや、スイマーの治療実績が豊富なスタッフが在籍している
  • ドライランドトレーニングの指導や、フォーム改善に関するアドバイスができる知識と経験を持っている。
  • 近隣のスイミングクラブや学校の部活動などと連携を取り、選手のメディカルサポートを行っている場合もある。
  • 怪我の予防やコンディショニングに関するワークショップやセミナーなどを開催している。
  • 選手一人ひとりの泳法やレベル、目標に合わせた、個別性の高いケアプランを提案してくれる。

もしあなたが茨木市や高槻市、またその近隣にお住まいで、水泳による肩や腰の痛み、その他の体の不調でお悩みでしたら、これらの特徴を参考に、ご自身に合った信頼できる整骨院を探してみてください。

まとめ

今回は、「【水泳】水泳肩、腰痛…スイマーのための整骨院での施術とケア」というテーマでお届けしました。

  • 水泳は体に優しいスポーツですが、水泳肩や腰痛、平泳ぎ膝といった特有の怪我のリスクもあります。
  • 怪我の主な原因は、オーバーユース(泳ぎすぎ)、不適切なスイムフォーム、ウォーミングアップ・クールダウン不足、筋力・柔軟性不足など、様々な要因が複合的に絡み合っています。
  • 怪我を予防するためには、正しいスイムフォームの習得、適切なトレーニング計画、陸上での補強運動(ドライランドトレーニング)、そして日頃からの十分なストレッチとケアが不可欠です。
  • 万が一、痛みや違和感を感じたら、無理をせず、早期に専門家(整形外科、水泳障害に詳しい整骨院など)に相談することが大切です。
  • 整骨院では、医師との連携のもと、手技療法、物理療法、運動療法などを組み合わせ、スイマー特有の悩みにアプローチし、早期回復と再発予防をサポートします。

水泳は、正しく行えば生涯楽しめる素晴らしいスポーツです。体のケアを万全にして、怪我の心配なく、いつまでも健康に、そして楽しく泳ぎ続けられるようにしましょう。そして、その良いコンディションが、毎日の安全運転にも繋がることを願っています。

この記事を監修
整骨院SAPIENSブログ

大阪府茨木市、阪急京都線「総持寺駅」から徒歩2分の場所にある【整骨院SAPIENS】が運営するブログです。
当院には、国家資格である「柔道整復師」の資格を持つ経験豊富なスタッフが在籍しブログ記事を監修しています。
来院される皆様の「つらい」を根本から改善し、健康的な生活を送れるよう全力でサポート させていただいております。

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