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【ジャンパー膝】バレーボール選手に多い膝の痛み、原因と対策【整骨院SAPIENS監修│茨木市/総持寺・高槻市】

ジャンパー膝は、バレーボールやバスケットボールなどジャンプ動作を多用するスポーツや、サッカーのキック動作やダッシュを繰り返す競技などでよく見られる、いわゆるオーバーユース(使いすぎ)が原因となる膝の障害です。正式には膝蓋腱炎(靱帯炎)とも呼ばれ、成長期の選手に多く発症します。激しいトレーニングや試合が続くと膝の前面に痛みが起こり、運動を続けにくくなるほど症状が悪化するケースもあるため、早期発見や予防策の徹底が非常に重要です。ここでは、ジャンパー膝の特徴的な症状や原因、発症メカニズム、治療やリハビリの具体策、トレーナーが行う対処法などを詳しく解説します。

疾患の概要

ジャンパー膝という名前が示すように、ジャンプや着地を繰り返す競技で特に多いスポーツ障害ですが、ダッシュ動作の多いサッカーなどでも発症リスクは高まります。主に膝関節の伸展に関わる大腿四頭筋に生じた過度な負荷が、膝蓋骨付近や膝蓋腱、脛骨粗面にまで繰り返しかかることで微細な損傷が蓄積し、痛みや腫脹、熱感などを引き起こすのが特徴です。とりわけ、成長期にある長身の選手の場合、骨の成長スピードに筋肉の伸びが追いつかず、筋肉の柔軟性低下が慢性的に起こりやすいため、膝への負担が集中してしまいます。その結果、膝前面にオーバーユース由来の慢性的な炎症や損傷が生じるのです。

原因・発症のメカニズム

繰り返しジャンプやダッシュを行うとき、膝を伸展させる大腿四頭筋に強い牽引力がかかります。この力は大腿四頭筋から膝蓋骨を介して、さらに膝蓋腱を通じて脛骨粗面まで伝わります。もし筋肉が硬くなっている状態で激しい練習や試合を続けると、膝蓋骨の周辺部にストレスが過剰にかかり、微小な損傷(腱実質部の出血や浮腫、ムコイド変性、フィブリノイド変性など)を繰り返すことになります。放置すると微少断裂や、最重症では完全断裂に至ることもあるので、早期の段階でケアを行うことが大切です。

成長期の10代は特に、身体の大きさに比して筋力や柔軟性が不足しがちです。結果的に太もも前面(大腿四頭筋)や股関節周辺が硬くなると、その分膝に大きな負荷がかかりやすくなります。特に膝蓋骨の下部から膝蓋腱付着部にかけて負担が集中しやすく、ジャンパー膝の症状が出現します。

診断におけるポイント

ジャンパー膝は、12〜20歳の選手に多く見られますが、実際のところ発症年齢は10代の後半が多いという報告もあります。痛みが出る側に左右差はあまりなく、片脚に痛みがあった選手のうち約3分の1は両膝とも症状を訴えたという調査結果も出ています。そのため、一方の膝が痛む場合でも、反対側の膝もしっかりチェックすることが欠かせません。

例えば、バレーボールナショナルチームのメディカルチェックでは、選手108名中35名が膝前面の痛みを訴えたというデータがあり、発生率は32.4%にも上っています。ジャンプを繰り返す競技では注意が必要です。

代表的な臨床症状

運動時に起こる膝蓋骨周辺の痛みや圧痛が典型的で、熱感や腫脹を伴うことも多いです。ジャンプ後や練習後に膝の前面がじんじんと痛む、押すと飛び上がるように痛いといった症状がよく聞かれます。加えて、腹ばいになって膝を曲げたとき、大腿前面の筋肉が張っていて痛みを逃れようとお尻を突き上げる「尻上がり現象」が見られたら、ジャンパー膝である可能性が高いとされています。

好発部位としては、膝蓋骨下部から膝蓋腱付着部が約7割、膝蓋骨上部から大腿四頭筋腱付着部が約2割、膝蓋腱の中央部から脛骨粗面付着部が約1割と報告されています。また、MRI検査では膝蓋骨下極付近を中心に腱が肥厚していることが多く見られ、健常例と比較して大幅に厚みが増していることが分かっています。

類似疾患との鑑別

ジャンパー膝と似たように膝下に痛みを生じる疾患として、オスグッド病が挙げられます。オスグッド病は脛骨粗面の成長軟骨に生じる障害で、10〜15歳前後の男子に多く見られます。痛みの発現部位や成長期特有の原因という点では類似しますが、オスグッド病では脛骨粗面に明らかな隆起や圧痛がみられやすい点で区別されます。ジャンパー膝であれば主に膝蓋骨付近への圧痛が中心となるため、問診や触診、年齢や痛む部位などから判断して診断されます。

治療とリハビリテーション

ジャンパー膝の治療は、痛みの度合いやステージに合わせて段階的に行います。局所のアイシングやストレッチが基本となりますが、症状が深刻なケースほど運動制限の必要性が高くなります。

◆Phase1(運動後に痛む程度の場合) 運動後のアイシングと大腿四頭筋のストレッチを徹底します。また、必要に応じて膝蓋腱やその周辺部への負荷を和らげるため、ジャンパー膝用のサポーター(JKバンドなど)の装着が推奨されます。

◆Phase2(運動前後に痛む場合) 練習前後に痛みが出る場合は、ジャンプ動作を一時的に中止し、アイシングや下肢の運動療法(膝や股関節の可動域を高める筋力・柔軟性トレーニング)を加えます。軽い有酸素運動や筋肉への負担を少なくするクロストレーニングなどで身体を動かしつつ、患部をしっかり冷やすことが大切です。

◆Phase3(運動に支障をきたすほど痛い場合) 痛みが顕著で、日常生活やプレーに大きく影響が出る段階では、数週間から数か月にわたって運動を休止することも検討します。大腿四頭筋や股関節周辺、さらには下半身全体の筋バランスを改善するストレッチとトレーニングを継続し、痛みが完全に消失してから慎重に競技へ復帰する流れを守りましょう。

◆Phase4(腱が断裂したケース) まれにではありますが、膝蓋腱が完全に断裂した場合は、縫合手術が必要です。このような重症例になってしまう前に、早め早めの対処や練習量・強度の調整をして症状を悪化させないことが極めて重要です。

トレーナーによる対処法とポイント

実際のスポーツ現場では、痛みが出たらすぐにアイシングを施すのが基本ですが、大腿四頭筋自体が酷使されて硬くなっているときには、太もも全体に対してもアイシングを行うと効果的です。痛みが強く、医療機関を受診しなければならないケースでも、ただ休むだけでなく、ドクターの指示に従って消炎鎮痛剤を使用しながらアイシングやマッサージを行い、患部の炎症を抑えることが肝要です。

膝への負担を減らすため、市販されている専用のサポーターやテーピングを利用する選手も多くいます。膝蓋腱部に適度な圧迫をかけることで、腱の引っ張りが軽減され、痛みの緩和につながる場合があります。ただし、サポーターやテープに頼りきるのではなく、そもそもオーバーユースにならないように練習量や練習時間を調整することが最優先です。

激しい練習や試合が続く時期(合宿や長期休暇中の強化練習など)は、こまめにアイシングとストレッチを取り入れて、膝周辺や大腿部をいたわる必要があります。選手同士でマッサージし合うのも有効です。さらに、股関節や足首の可動域を広げることで膝への負担を減らすことも重要です。

予防策とリコンディショニング

ジャンパー膝を未然に防ぎ、再発を予防するうえで重要なのは、練習や試合の前後に行うウォームアップとウォームダウンの徹底です。とりわけ体が温まった直後(リカバリーヒートと呼ばれる時期)にしっかりストレッチを行うことで、筋肉や腱に蓄積するストレスを軽減できます。

大腿四頭筋に張りを感じたり、階段の上り下りがつらくなり始めた段階で、アイシングやマッサージ、ストレッチの時間を十分に取りましょう。そうした早めのアプローチが痛みの進行を防ぎ、スポーツを継続しやすくします。痛みをこらえて練習を続けると、かえって症状が深刻化し、競技人生を縮めかねません。競技レベルに合わせて適切な強度を設定し、体が悲鳴を上げているサインを見逃さないことが長期的な選手寿命につながります。

まとめ

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)は、ジャンプやダッシュを繰り返す競技で特に発生率が高く、成長期の選手によく見られる膝のオーバーユース障害です。大腿四頭筋の柔軟性が低下すると膝への負担が集中し、痛みや腫れ、熱感などの症状が進行します。運動後のアイシングやストレッチの徹底、装具の活用などで早期の対処を行い、痛みが強い場合は適切に運動量を調整することが極めて重要です。痛みを我慢し続けると、より深刻な断裂リスクもあるため、無理をせず専門家の指導を受けながら予防と再発防止に努めましょう。

この記事を監修
整骨院SAPIENSブログ

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