仙腸関節ってどこ?どんな役割をしているの?
「仙腸関節症」って聞いたことはありますか?
もしかしたら、腰痛や股関節の痛みで悩んでいるけど、原因が分からず困っている方もいるかもしれませんね。
仙腸関節症は、骨盤を構成する仙骨と腸骨のつなぎ目である「仙腸関節」に炎症が起こったり、関節の動きが悪くなったりすることで、様々な症状を引き起こす病気です。
でも、そもそも「仙腸関節」ってどこにあるのか、どんな役割をしているのか、イマイチピンと来ない人も多いのではないでしょうか?
仙腸関節は、私たちの体の中心部、お尻の少し上のあたりにあります。一見、目立たない場所ですが、実はとっても重要な役割を担っているんです。
仙腸関節の主な役割は、上半身と下半身をつなぐ橋渡しをすること。
歩く、立つ、座る、ジャンプするなど、私たちが日常生活を送る上で必要なあらゆる動作を支えています。
また、衝撃を吸収したり、体全体のバランスを保ったりする役割も担っています。
例えば、歩く時に地面から受ける衝撃を吸収したり、片足で立っている時にバランスを保ったりするのも、仙腸関節のおかげなんです。
仙腸関節症の主な原因
仙腸関節症は、様々な原因によって起こると考えられています。
代表的な原因としては、以下のものがあげられます。
1. 身体の歪み
姿勢が悪かったり、長時間のデスクワークや同じ体勢での作業などによって、身体の軸がずれてしまい、仙腸関節に負担がかかってしまうことがあります。
特に、猫背や反り腰の人は、仙腸関節に負担がかかりやすく、仙腸関節症になりやすい傾向にあります。
2. 妊娠・出産
妊娠中は、ホルモンバランスの変化によって骨盤の靭帯が緩み、仙腸関節が不安定になりやすくなります。
出産時の強い負荷も、仙腸関節に負担をかける要因となります。
そのため、妊娠中や産後の女性は、仙腸関節症になりやすいと言われています。
3. 外傷
交通事故やスポーツなどによる強い衝撃で、仙腸関節に直接的なダメージを受けてしまうと、仙腸関節症を発症するリスクが高まります。
また、転倒などによる軽い衝撃でも、仙腸関節に負担がかかってしまい、症状が現れることがあります。
4. その他
・激しい運動やスポーツ
・長時間の立ち仕事
・重い荷物の持ち運び
・加齢による筋力低下
・骨盤の歪み
・過去の怪我
などが原因として考えられます。
仙腸関節症の症状
仙腸関節症の症状は、人によって様々です。
代表的な症状としては、以下のものがあげられます。
1. 腰痛
仙腸関節症の最も一般的な症状は、腰痛です。
腰全体が重だるく感じたり、腰に鈍い痛みを感じたりすることが多く、ぎっくり腰のような急な痛みが出ることもあります。
2. 股関節の痛み
仙腸関節は股関節とも密接に関係しているため、股関節の痛みもよく見られます。
お尻や太ももの裏側に痛みを感じたり、股関節が動きにくいと感じたりすることがあります。
3. お尻の痛み
仙腸関節の近くには、お尻の筋肉が付着しています。
仙腸関節に炎症が起こると、これらの筋肉が緊張し、お尻に痛みを感じる場合があります。
4. 下肢の痛みや痺れ
仙腸関節の炎症が神経を圧迫することで、下肢に痛みや痺れが生じることもあります。
お尻から足にかけて、電気が走るような痛みや痺れを感じる場合があります。
5. 身体の歪み
仙腸関節のズレによって、骨盤が歪んでしまい、姿勢が悪くなったり、左右の脚の長さが変わったりすることがあります。
6. その他
・排尿痛
・月経痛
・消化不良
・生理不順
などの症状が現れる場合もあります。
仙腸関節症の診断
仙腸関節症は、レントゲンやMRIなどの画像検査で診断されることが多いです。
しかし、画像検査では異常が見られないのに、仙腸関節の痛みや症状がある場合もあります。
そのため、医師は問診や身体診察を丁寧に行い、患者さんの症状や状態を詳しく把握した上で、仙腸関節症かどうかを判断します。
特に、以下のような症状がある場合は、仙腸関節症の可能性が高いので、医療機関を受診することをおすすめします。
- 腰や股関節に痛みがある
- 姿勢が悪くなっている
- 身体のバランスが崩れている
- 立ち上がったり、座ったりする時に痛みがある
- 長時間座っていると腰が痛くなる
- 寝返りを打つのがつらい
仙腸関節症の改善策
仙腸関節症の改善策は、症状や原因によって異なります。
ここでは、代表的な改善策をご紹介します。
1. 薬物療法
痛みや炎症を抑えるための薬を服用します。
痛み止めや消炎剤などが処方されることが多いです。
2. 理学療法
ストレッチや運動療法などを行い、仙腸関節の柔軟性を高めたり、周りの筋肉を強化したりします。
また、温熱療法や電気療法などを行い、血行を良くしたり、筋肉の緊張を和らげたりすることもあります。
3. マニュアルセラピー
整体やカイロプラクティックなど、身体の歪みを整えて仙腸関節への負担を軽減する施術を受ける方法です。
専門家による施術によって、骨盤の歪みを整えたり、仙腸関節の動きを改善したりすることができます。
4. 装具療法
コルセットなどの装具を装着することで、仙腸関節への負担を軽減します。
5. 生活習慣の改善
正しい姿勢を意識したり、身体に負担をかけないような生活習慣を心がけたりすることで、仙腸関節への負担を軽減することができます。
具体的には、以下のような点に注意しましょう。
- 姿勢を正して座る、立つ、歩く
- デスクワーク中はこまめな休憩を挟む
- 重い荷物を持つ際は、両手で持つ
- 身体を動かすことを意識して、適度な運動をする
- 寝具を見直す
- 睡眠時間を確保する
仙腸関節症を予防するには?
仙腸関節症は、日頃から正しい姿勢を意識したり、身体を動かすことを習慣にしたりすることで、予防することができます。
1. 姿勢を正す
猫背や反り腰は、仙腸関節に負担をかける大きな原因の一つです。
普段から姿勢を意識し、正しい姿勢を保つように心がけましょう。
特に、長時間座っていることが多い人は、こまめな休憩を挟んで姿勢をリフレッシュすることが大切です。
2. 身体を動かす
運動不足は、筋肉の衰えや柔軟性の低下につながり、仙腸関節に負担をかけやすくなってしまいます。
ウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で身体を動かす習慣をつけましょう。
軽い運動でも、仙腸関節の周りの筋肉を鍛え、柔軟性を高める効果が期待できます。
3. 適切な体幹トレーニングを行う
体幹を鍛えることで、姿勢の安定や体幹のバランス能力を高めることができます。
体幹が安定することで、仙腸関節への負担を軽減することができます。
4. 生活習慣を見直す
睡眠不足や不規則な生活は、身体の疲労を溜め込み、仙腸関節に負担をかける原因となります。
質の高い睡眠をしっかりとるように心がけ、規則正しい生活を送りましょう。
また、ストレスをためないことも大切です。ストレスは、筋肉の緊張を引き起こし、仙腸関節の痛みを悪化させる可能性があります。
まとめ|仙腸関節症について理解を深め、健康な体を目指しましょう!
仙腸関節症は、腰痛や股関節痛などの症状を引き起こす、決して珍しい病気ではありません。
この記事では、仙腸関節症の原因や症状、改善策、予防策について詳しく解説しました。
もし、腰痛や股関節痛などの症状がある場合は、我慢せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
また、日頃から正しい姿勢を意識したり、身体を動かす習慣をつけたりすることで、仙腸関節症を予防することもできます。
仙腸関節の健康を守り、快適な毎日を送りましょう!
当院では、仙腸関節症でお悩みの方に対し、症状に合わせた適切な施術を行います。お一人で悩まず、お気軽にLINEでご相談ください。