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その肩こり、放置しないで!原因とプロが教える簡単セルフケア法【整骨院SAPIENS監修│茨木市/総持寺・高槻市】

はじめに:つらい肩こり、あきらめていませんか?

デスクワークやスマートフォンの長時間利用が当たり前になった現代社会において、肩こりは多くの人々が抱える悩みのひとつです。「いつものことだから」「マッサージに行ってもすぐに元に戻ってしまう」と、つらい肩こりをあきらめて放置してしまっている方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、肩こりは単なる不快な症状というだけでなく、放置することで頭痛や吐き気、めまいなど、さまざまな身体の不調を引き起こす可能性も秘めています。この記事では、なぜ肩こりが起こるのか、その原因を分かりやすく解説するとともに、専門家が推奨する自宅で簡単にできるセルフケア方法をご紹介します。

この記事を読めば、あなたを悩ませる肩こりの原因が明らかになり、今日から実践できる具体的な対策が見つかるはずです。つらい肩こりから解放され、快適な毎日を取り戻すための一歩を、一緒に踏み出しましょう。

肩こりとは?~肩周辺の筋肉の不快な症状~

肩こりとは、首筋から肩、背中にかけての筋肉が緊張し、重苦しさ、張り、痛みなどを感じる状態の総称です。医学的に明確な定義があるわけではなく、人によって感じ方や表現もさまざまです。

主な症状としては、

  • 肩が重く感じる
  • 肩や首筋が張っている
  • 肩や首筋に痛みがある
  • 肩を動かすとゴリゴリと音がする
  • 頭痛や吐き気を伴うことがある

などが挙げられます。これらの症状は、一時的なものから慢性的なものまであり、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

私たちの首から肩にかけては、僧帽筋(そうぼうきん)、肩甲挙筋(けんこうきょきん)、菱形筋(りょうけいきん)など、多くの筋肉が集まっています。これらの筋肉は、重い頭や腕を支え、さまざまな動作をスムーズに行うために常に働いています。しかし、何らかの原因でこれらの筋肉に負担がかかり続けると、筋肉が硬く緊張し、血行が悪くなってしまいます。その結果、疲労物質や痛みを生み出す物質が筋肉内に蓄積し、肩こり特有の不快な症状が現れるのです。

なぜ肩こりは起こるの?~あなたの肩こりの原因を探る~

肩こりを引き起こす原因は多岐にわたります。ここでは、代表的な原因をいくつかご紹介します。ご自身の生活習慣と照らし合わせながら、肩こりの原因を探ってみましょう。

1. 長時間同じ姿勢での作業(デスクワーク、スマホ操作など)

現代人に最も多い肩こりの原因の一つが、長時間同じ姿勢での作業です。パソコンを使ったデスクワークやスマートフォンの操作、読書、車の運転などは、無意識のうちに首や肩に負担のかかる姿勢をとりがちです。

特に、画面を覗き込むように頭が前に出る姿勢は、首の骨(頸椎:けいつい)の自然なカーブを失わせ、重い頭を支えるために首や肩の筋肉に過度な負担をかけます。通常、成人の頭の重さは体重の約10%(約5~6kg)と言われていますが、頭が前に傾くほど、首や肩にかかる負荷は増大します。例えば、頭が15度傾くだけで約12kg、30度傾くと約18kgもの負荷がかかると言われています。

このような状態が長時間続くと、筋肉は常に緊張した状態になり、血行が悪化して肩こりを引き起こします。また、同じ姿勢を続けることで特定の筋肉ばかりが使われ、疲労が蓄積しやすいことも原因となります。

2. 運動不足による筋力低下

日頃から運動する習慣がないと、肩周りの筋肉だけでなく、全身の筋力が低下しやすくなります。特に、肩甲骨周りの筋肉や、背骨を支える体幹の筋肉が弱くなると、正しい姿勢を維持することが難しくなり、首や肩にかかる負担が増加します。

また、筋肉は血液を送り出すポンプのような役割も担っています。運動不足によって筋肉量が減ると、このポンプ機能が弱まり、血行が悪化しやすくなります。その結果、筋肉に十分な酸素や栄養が供給されず、疲労物質が蓄積しやすくなり、肩こりを引き起こす原因となります。

3. 冷え性

体が冷えると、血管が収縮して血行が悪くなります。特に、首や肩周りは衣服で覆われていないことも多く、冷えやすい部位です。血行が悪くなると、筋肉が硬直しやすくなり、肩こりの症状が悪化することがあります。

冬場の寒さだけでなく、夏場の冷房の効きすぎた室内なども、知らず知らずのうちに体を冷やし、肩こりの原因となることがあります。また、冷え性の人は、自律神経のバランスが乱れやすい傾向があり、これも肩こりを助長する要因の一つと考えられています。

4. ストレス

精神的なストレスも、肩こりの大きな原因の一つです。ストレスを感じると、私たちの体は無意識のうちに緊張し、筋肉がこわばりやすくなります。特に、肩や首周りの筋肉は、ストレスの影響を受けやすいと言われています。

また、ストレスは自律神経のバランスを乱し、交感神経が優位な状態が続きやすくなります。交感神経が活発になると、血管が収縮し、血行が悪化します。さらに、痛みを感じやすくなるなど、肩こりの症状を悪化させる可能性があります。仕事のプレッシャーや人間関係の悩みなど、慢性的なストレスを抱えている人は、肩こりにも悩まされやすい傾向があります。

5. 寝具との相性

睡眠は、心身の疲労を回復させるための重要な時間です。しかし、自分に合わない寝具を使用していると、睡眠中に首や肩に負担がかかり、肩こりの原因となることがあります。

例えば、枕が高すぎると首が不自然な角度に曲がり、首や肩の筋肉が緊張してしまいます。逆に、枕が低すぎると頭が沈み込み、これもまた首に負担をかけます。また、マットレスが柔らかすぎると体が沈み込んで寝返りが打ちにくくなり、同じ姿勢が長時間続くことで血行が悪くなることもあります。

自分に合った高さや硬さの枕、適度な反発力のあるマットレスを選ぶことは、質の高い睡眠を確保し、肩こりを予防・改善するために非常に重要です。

6. その他(眼精疲労、内臓の不調など)

上記以外にも、さまざまな要因が肩こりを引き起こす可能性があります。

  • 眼精疲労: パソコンやスマートフォンを長時間見続けることで目が疲れると、目の周りの筋肉だけでなく、首や肩の筋肉も緊張し、肩こりを引き起こすことがあります。視力に合わないメガネやコンタクトレンズの使用も同様です。
  • 内臓の不調: 胃腸の不調や心臓、肺などの病気が、関連痛として肩こりの症状を引き起こすことがあります。セルフケアを続けてもなかなか改善しない場合や、他の症状(胸痛、腹痛、息苦しさなど)を伴う場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
  • 歯の噛み合わせ: 歯の噛み合わせが悪いと、顎の周りの筋肉が緊張し、それが首や肩の筋肉にも影響を与え、肩こりを引き起こすことがあります。
  • バッグの持ち方: いつも同じ側の肩に重いバッグをかけていると、片方の肩だけに負担が集中し、体のバランスが崩れて肩こりの原因となることがあります。

このように、肩こりの原因は一つとは限らず、複数の要因が複雑に絡み合っている場合も少なくありません。ご自身の生活習慣を振り返り、思い当たる原因がないか確認してみましょう。

肩こりを放置するとどうなる?~見過ごせない身体への悪影響~

「たかが肩こり」と軽く考えて放置していると、症状が悪化し、日常生活にさまざまな支障をきたす可能性があります。ここでは、肩こりを放置することで起こりうる代表的な身体への悪影響について解説します。

1. 頭痛

肩こりによって首や肩の筋肉が過度に緊張すると、その緊張が頭部の筋肉にも影響を及ぼし、「緊張型頭痛」を引き起こすことがあります。緊張型頭痛は、頭全体が締め付けられるような鈍い痛みが特徴で、数時間から数日間続くこともあります。

また、肩こりによって首周りの血行が悪くなると、脳への血流も滞りやすくなり、これも頭痛の原因の一つと考えられています。肩こりがひどくなると頭痛も頻繁に起こるようになるなど、両者は密接に関連しています。

2. 吐き気

肩こりが悪化すると、自律神経のバランスが乱れ、吐き気やめまいといった症状が現れることがあります。特に、首の付け根には自律神経の重要なポイントがあり、この部分の筋肉の緊張が自律神経に影響を与えやすいと言われています。

また、強い肩こりによる痛みや不快感が、精神的なストレスとなり、それが吐き気を誘発することもあります。

3. めまい

肩こりによる首周りの筋肉の緊張や血行不良は、平衡感覚を司る三半規管への血流にも影響を与え、めまいを引き起こすことがあります。ふわふわとした浮遊感や、回転性のめまいなど、症状の現れ方はさまざまです。

特に、首の骨(頸椎)の歪みが原因で起こる「頸性めまい」は、肩こりと密接に関連していると言われています。

4. 自律神経の乱れ

肩こりは、自律神経のバランスを乱す大きな要因の一つです。自律神経は、呼吸、体温、消化、血圧など、生命維持に不可欠な機能を無意識のうちにコントロールしています。自律神経には、活動時に働く「交感神経」と、リラックス時に働く「副交感神経」があり、この二つがバランスを取りながら働いています。

しかし、慢性的な肩こりによる痛みや不快感、血行不良は、交感神経を過剰に刺激し、自律神経のバランスを崩してしまいます。その結果、イライラしやすくなったり、不安感が強くなったり、不眠、動悸、息切れ、便秘や下痢など、さまざまな心身の不調が現れることがあります。

5. 集中力の低下

肩こりによる痛みや不快感は、仕事や勉強への集中力を著しく低下させます。常に肩の重さや痛みを感じていると、なかなか目の前のことに集中できず、作業効率が悪化してしまうことがあります。

また、肩こりが原因で起こる頭痛やめまいなども、集中力を妨げる要因となります。

6. 睡眠の質の低下

肩こりによる痛みや不快感は、夜間の睡眠の質にも影響を与えます。寝返りを打つたびに痛みで目が覚めてしまったり、リラックスできずに寝つきが悪くなったりすることがあります。

質の高い睡眠がとれないと、日中の疲労感が抜けず、さらに肩こりが悪化するという悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。

このように、肩こりを放置することは、身体的にも精神的にもさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。つらい症状を感じたら、早めに適切な対処をすることが大切です。

プロが教える!肩こり解消のための簡単セルフケア法

つらい肩こりも、日々のセルフケアで改善できる可能性があります。ここでは、専門家も推奨する、自宅で簡単にできるセルフケア方法を具体的にご紹介します。無理のない範囲で、毎日の生活に取り入れてみましょう。

1. ストレッチ:硬くなった筋肉をゆっくり伸ばす

ストレッチは、硬くなった筋肉を和らげ、血行を促進し、肩こりを改善するための最も基本的な方法です。ポイントは、反動をつけずにゆっくりと筋肉を伸ばし、心地よいと感じる程度で20~30秒程度キープすることです。呼吸を止めないように意識しましょう。

【首のストレッチ】

  • 首を前に倒すストレッチ:
    1. 椅子に座るか、立った状態で背筋を伸ばします。
    2. 両手を頭の後ろで組み、ゆっくりと頭を前に倒します。
    3. 首の後ろ側の筋肉が伸びているのを感じながら、20~30秒キープします。
  • 首を横に倒すストレッチ:
    1. 椅子に座るか、立った状態で背筋を伸ばします。
    2. 右手を頭の左側に置き、ゆっくりと頭を右に倒します。左肩が上がらないように注意しましょう。
    3. 首の左側の筋肉が伸びているのを感じながら、20~30秒キープします。反対側も同様に行います。
  • 首を斜め前に倒すストレッチ:
    1. 椅子に座るか、立った状態で背筋を伸ばします。
    2. 右手を頭の左斜め後ろに置き、ゆっくりと頭を右斜め前に倒します。
    3. 首の左斜め後ろの筋肉が伸びているのを感じながら、20~30秒キープします。反対側も同様に行います。
  • 首を回すストレッチ:
    1. 椅子に座るか、立った状態で背筋を伸ばします。
    2. ゆっくりと首を右回りに3~5回、左回りに3~5回、大きく回します。痛みを感じる場合は無理のない範囲で行いましょう。

【肩のストレッチ】

  • 肩をすくめて落とすストレッチ:
    1. 椅子に座るか、立った状態で背筋を伸ばします。
    2. 両肩をできるだけ高くすくめ、数秒間キープします。
    3. 力を抜いて、ストンと肩を落とします。これを数回繰り返します。
  • 肩を前回し・後ろ回しするストレッチ:
    1. 椅子に座るか、立った状態で背筋を伸ばします。
    2. 両肘を曲げ、指先を肩につけます。
    3. 肘で大きな円を描くように、前回しを5~10回、後ろ回しを5~10回行います。肩甲骨が動いているのを意識しましょう。

【肩甲骨周りのストレッチ】

  • 胸を開くストレッチ:
    1. 椅子に座るか、立った状態で背筋を伸ばします。
    2. 両手を背中の後ろで組みます。
    3. 組んだ手をゆっくりと後ろに引き上げながら、胸を開きます。肩甲骨を寄せるように意識しましょう。
    4. 20~30秒キープします。
  • 腕を交差させて肩甲骨を伸ばすストレッチ:
    1. 椅子に座るか、立った状態で背筋を伸ばします。
    2. 右腕を胸の前で水平に伸ばし、左手で右肘あたりを抱え、ゆっくりと左側に引き寄せます。右の肩甲骨周りが伸びているのを感じましょう。
    3. 20~30秒キープします。反対側も同様に行います。

これらのストレッチは、デスクワークの合間や、お風呂上がりなど、体が温まっている時に行うとより効果的です。毎日少しずつでも続けることが大切です。

2. 軽い運動:血行を促進し、筋力アップ

適度な運動は、全身の血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。また、肩周りの筋力をつけることで、肩こりになりにくい体を作ることができます。激しい運動である必要はありません。日常生活に取り入れやすい軽い運動から始めてみましょう。

  • ウォーキング: 特別な道具も必要なく、手軽に始められる運動です。腕を軽く振り、少し速足で歩くことを意識しましょう。20~30分程度を目安に、景色を楽しみながら行うと続けやすいです。ウォーキングは全身運動であり、血行促進だけでなく、気分転換にも効果的です。
  • ラジオ体操: ラジオ体操は、短時間で全身の筋肉をバランスよく動かすことができる優れた運動です。特に、肩を回したり、腕を大きく振ったりする動きは、肩こり解消に効果的です。子供の頃を思い出して、毎朝の習慣にしてみてはいかがでしょうか。
  • 水泳: 水中では浮力が働くため、関節への負担が少なく、全身の筋肉を効率よく使うことができます。特に、肩を大きく動かすクロールや背泳ぎは、肩周りの筋肉をほぐし、血行を促進するのに効果的です。

運動を始める際は、無理のない範囲で、自分の体力に合わせて行うことが大切です。痛みを感じる場合は中止し、専門家に相談しましょう。

3. 正しい姿勢を意識する:肩への負担を減らす

日常生活での姿勢は、肩こりに大きな影響を与えます。正しい姿勢を意識することで、首や肩にかかる負担を軽減することができます。

【正しい座り方】

  1. 深く腰掛ける: 椅子の背もたれにしっかりと腰がつくように深く座ります。
  2. 骨盤を立てる: 坐骨(お尻の下にある硬い骨)で座面を捉え、骨盤を立てるように意識します。背もたれに軽くもたれる程度が良いでしょう。
  3. 背筋を伸ばす: 頭のてっぺんから糸で吊るされているようなイメージで、自然に背筋を伸ばします。胸を張りすぎると腰に負担がかかるので注意しましょう。
  4. 膝の角度: 膝の角度は90度、またはそれよりも少し開く程度が良いでしょう。足の裏全体が床につくように椅子の高さを調整します。
  5. 肘の角度: パソコン作業をする際は、肘の角度が90度以上になるように、机や椅子の高さを調整します。腕を自然に下ろした位置でキーボードやマウスを操作できるようにしましょう。
  6. 目線: パソコンのモニターは、目線がやや下になる高さに調整します。モニターが低すぎると猫背になりやすく、高すぎると首が反り返ってしまいます。

デスクワーク中は、30分~1時間に一度は立ち上がり、軽いストレッチをするなどして、同じ姿勢が続かないように心がけましょう。

【正しい立ち方】

  1. 壁を背にして立つ: 後頭部、肩甲骨、お尻、かかとが壁につくように立ちます。腰と壁の間には、手のひら一枚分程度の隙間があるのが理想です。
  2. 重心を意識する: 重心は、足の裏全体に均等にかかるように意識します。くるぶしの真下に重心がくるイメージです。
  3. お腹に力を入れる: 軽くお腹に力を入れると、骨盤が安定し、正しい姿勢を保ちやすくなります。
  4. 肩の力を抜く: 肩はリラックスさせ、力が入らないように意識します。

正しい姿勢は、意識しないとすぐに崩れてしまいがちです。鏡で自分の姿を確認したり、時々意識して姿勢を正したりするなど、習慣づけることが大切です。

4. 体を温める:血行を促進し、筋肉をリラックス

体を温めることは、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。肩こりの症状緩和には、温めるケアが有効です。

  • 入浴: 38~40℃程度のぬるめのお湯に、15~20分程度ゆっくりと浸かりましょう。首までしっかりとお湯に浸かることで、肩周りの筋肉が温まり、リラックス効果も高まります。炭酸ガス系の入浴剤を使用するのもおすすめです。血行が促進され、疲労回復効果が期待できます。
  • 蒸しタオルや温湿布: 肩こりがつらい部分に、蒸しタオルや温湿布を当てるのも効果的です。蒸しタオルは、濡らしたタオルを電子レンジで温めるだけで簡単に作れます。火傷に注意しながら、心地よい温度で10~15分程度温めましょう。
  • 温かい飲み物: 生姜湯やハーブティーなど、体を温める効果のある飲み物を摂るのも良いでしょう。内側から体を温めることで、血行促進効果が期待できます。

ただし、炎症が起きている場合(熱感がある、ズキズキと痛むなど)は、温めることで症状が悪化する可能性があるので注意が必要です。その場合は、冷やすケアが適切な場合もありますので、判断に迷う場合は専門家に相談しましょう。

5. リラックス法:心身の緊張を解きほぐす

ストレスは肩こりの大きな原因の一つです。心身の緊張を解きほぐし、リラックスする時間を作ることも、肩こり解消には重要です。

  • 深呼吸: ゆっくりと深い呼吸をすることで、副交感神経が優位になり、心身がリラックス状態になります。
    1. 楽な姿勢で座るか、仰向けになります。
    2. 鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹を膨らませます(腹式呼吸)。
    3. 口からゆっくりと息を吐き出し、お腹をへこませます。吸う時間よりも吐く時間を長くすることを意識しましょう。 これを数回繰り返します。
  • 瞑想: 瞑想は、心を落ち着かせ、ストレスを軽減する効果があると言われています。静かな場所で楽な姿勢をとり、呼吸に意識を集中します。最初は5分程度の短い時間から始めてみましょう。
  • アロマテラピー: ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果のあるアロマオイルの香りを楽しむのもおすすめです。アロマディフューザーを使ったり、お風呂に数滴垂らしたりして、心地よい香りに包まれましょう。
  • 趣味の時間を持つ: 好きな音楽を聴いたり、読書をしたり、友人と会話を楽しんだりするなど、自分が心からリラックスできる時間を持つことは、ストレス解消に繋がり、肩こりの緩和にも役立ちます。

自分に合ったリラックス法を見つけて、日常生活に取り入れてみましょう。

6. 生活習慣の見直し:肩こりになりにくい体づくり

肩こりの予防・改善には、日々の生活習慣を見直すことも大切です。

  • 睡眠時間の確保: 質の高い睡眠を十分にとることは、心身の疲労回復に不可欠です。毎日同じ時間に寝起きするなど、規則正しい生活リズムを心がけましょう。自分に合った寝具を選ぶことも重要です。
  • バランスの取れた食事: 筋肉や血液の材料となるタンパク質、血行を促進するビタミンE、神経の働きを助けるビタミンB群などをバランス良く摂取しましょう。体を冷やす食べ物や飲み物の摂りすぎには注意が必要です。
  • 適度な水分補給: 水分が不足すると、血液がドロドロになり、血行が悪化しやすくなります。こまめに水分補給を心がけましょう。
  • 禁煙: 喫煙は血管を収縮させ、血行を悪化させるため、肩こりの大きな原因となります。禁煙することで、肩こりの改善だけでなく、さまざまな健康効果が期待できます。

これらのセルフケア方法は、すぐに効果が現れるものではありませんが、継続することで確実に肩こりの改善に繋がります。焦らず、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。

セルフケアでも改善しない場合は?~専門家の力を借りるタイミング~

これまでご紹介したセルフケアを続けても、肩こりの症状がなかなか改善しない場合や、むしろ悪化しているように感じる場合は、自己判断せずに専門家の力を借りることを検討しましょう。また、以下のような症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

  • 痛みが非常に強い、または徐々に強くなっている
  • 腕や手にしびれや麻痺がある
  • 安静にしていても痛みが続く
  • 肩こり以外の症状(発熱、頭痛、吐き気、めまい、胸痛、息苦しさなど)が伴う
  • 転倒などの明らかな原因がある

これらの症状は、単なる肩こりではなく、他の病気が隠れている可能性も考えられます。

どこを受診すれば良い?

肩こりの相談ができる主な医療機関や治療院には、以下のようなところがあります。それぞれの特徴を理解し、ご自身の症状や目的に合わせて選びましょう。

1. 整形外科

整形外科は、骨、関節、筋肉、神経など、運動器系の疾患を専門とする医療機関です。レントゲンやMRIなどの画像検査により、骨の異常(変形性頸椎症、頸椎椎間板ヘルニアなど)や、神経の圧迫など、肩こりの原因となる器質的な問題がないかを診断してもらうことができます。

診断の結果、必要に応じて薬物療法(痛み止め、筋弛緩薬など)、物理療法(温熱療法、電気療法、牽引療法など)、運動療法(リハビリテーション)、注射療法(トリガーポイント注射、ブロック注射など)といった治療が行われます。他の病気が疑われる場合や、原因を特定したい場合は、まず整形外科を受診することをおすすめします。

2. 整骨院・接骨院

整骨院や接骨院では、柔道整復師が施術を行います。柔道整復師は、骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷(肉離れなど)といった急性の外傷に対する施術を専門としています。

慢性的な肩こりに対しては、保険適用外の自費診療となる場合が多いですが、手技療法(マッサージ、ストレッチなど)や物理療法(電気療法、温熱療法など)を用いて、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進し、痛みを緩和する施術が行われます。日常生活での注意点や運動指導なども受けることができます。

3. 整体院

整体院では、手技を用いて骨格の歪みや筋肉のバランスを整え、体の不調を改善することを目指します。整体にはさまざまな流派や手技があり、施術内容や考え方も異なります。

肩こりに対しては、骨盤や背骨の歪みを矯正したり、硬くなった筋肉をほぐしたりすることで、肩への負担を軽減し、症状の改善を図ります。ただし、整体は医療行為ではないため、診断や薬の処方は行えません。

4. 鍼灸院(しんきゅういん)

鍼灸院では、鍼(はり)や灸(きゅう)を用いて、体のツボ(経穴:けいけつ)を刺激し、血行を促進したり、筋肉の緊張を和らげたり、自律神経のバランスを整えたりする治療が行われます。

肩こりに対しては、肩や首周りのツボに鍼や灸を施すことで、痛みを緩和し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。東洋医学に基づいたアプローチで、体質改善を目指すこともあります。

専門家を選ぶ際のポイント

  • 資格の有無を確認する: 医師、柔道整復師、鍼灸師など、国家資格を持つ専門家を選びましょう。
  • 説明が丁寧で分かりやすいか: 症状や治療方針について、専門用語ばかりでなく、分かりやすく説明してくれるかどうかが重要です。質問しやすい雰囲気かどうかも確認しましょう。
  • 自分の症状や目的に合っているか: 原因を特定したいのか、痛みをすぐに和らげたいのか、根本的な体質改善を目指したいのかなど、自分の目的に合った専門家を選びましょう。
  • 口コミや評判を参考にする: インターネットの口コミサイトや、知人からの紹介などを参考にすることも有効です。ただし、情報は鵜呑みにせず、最終的には自分で判断することが大切です。
  • 通いやすさ: 治療は一度で終わることは少なく、継続して通う必要がある場合が多いです。自宅や職場から通いやすい場所にあるかどうかも考慮しましょう。

つらい肩こりは我慢せずに、専門家のアドバイスを受けながら、適切な対処法を見つけていくことが大切です。

まとめ:肩こり解消に向けて今日からできること

つらい肩こりは、日々の生活習慣や環境が大きく影響しています。しかし、その原因を理解し、適切なセルフケアを行うことで、症状を和らげ、快適な毎日を取り戻すことは十分に可能です。

この記事でご紹介したように、

  • 長時間同じ姿勢を避ける
  • 適度な運動を取り入れる
  • 体を冷やさないようにする
  • ストレスを溜め込まない
  • 正しい姿勢を意識する
  • 自分に合った寝具を選ぶ
  • 定期的なストレッチを習慣にする

といったことを意識し、今日から少しずつでも実践していくことが大切です。

セルフケアは、すぐに劇的な効果が現れるものではありません。しかし、根気強く続けることで、確実にあなたの体は変化していきます。諦めずに、ご自身の体と向き合い、いたわってあげてください。

もし、セルフケアだけでは改善が見られない場合や、症状が悪化するような場合は、決して我慢せずに専門家の力を借りましょう。整形外科や整骨院、整体院、鍼灸院など、あなたに合った専門家を見つけ、適切なアドバイスや治療を受けることが、早期改善への近道となります。

肩こりのない軽やかな体は、あなたの毎日をよりアクティブで、より笑顔の多いものにしてくれるはずです。この記事が、その第一歩を踏み出すためのお役に立てれば幸いです。

この記事を監修
整骨院SAPIENSブログ

大阪府茨木市、阪急京都線「総持寺駅」から徒歩2分の場所にある【整骨院SAPIENS】が運営するブログです。
当院には、国家資格である「柔道整復師」の資格を持つ経験豊富なスタッフが在籍しブログ記事を監修しています。
来院される皆様の「つらい」を根本から改善し、健康的な生活を送れるよう全力でサポート させていただいております。

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